日本学校歯科医会生涯研修制度 専門研修

 11月23日(土)、24日(日)東京都千代田区「東京ガーデンパレス」に於いて、令和元年度学校歯科医生涯研修制度 専門研修が全国から40名の学校歯科医参加のもと開催されました。

 

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 この専門研修は、基礎研修受講者がⅠ「保健管理」Ⅱ「保健教育」Ⅲ「組織活動」の学校歯科三本柱についてさらに理解を深め、学校歯科保健に関わる今日的課題を理解し、自身の実践活動を充実させ、地域の指導者としての資質向上を目的として実施されています。

 第1日目は、午後1時より明海大学 安井利一学長より研修内容のプログラム説明とⅠ①「専門研修 保健管理の目標」について講義がありました。続いて東京医科歯科大学咬合機能矯正学分野 小野卓史教授よりⅠ②「早期の矯正歯科治療に対する現状と考え方」について講義がありました。自己紹介(ティーブレイク)をはさみまして、安井学長よりⅡ①「専門研修 保健教育の目標」について講義がありました。続いて国立モンゴル医学科学大学 岡崎好秀客員教授よりⅡ②「心が動けば、体が動く」について講義がありました。また、安井学長よりⅢ①「専門研修 組織活動の目標」について講義がありました。続いて足立区立竹の塚中学校齋藤由美子校長、足立区立第十中学校平澤規子養護教諭よりⅢ②「学校経営と学校保健~学校・家庭・地域が連携して進める健康教育~」について講義がありました。質疑応答後、会場を移して意見交換会が開催されました。

 第2日目は、午前9時より6班に分かれてワークショップ(参加体験型グループ学習)が開催されました。ワークショップ1では、定期健康診断結果集計表のデータと学校情報をもとに「①学校の歯科保健調査票と評価指標の分析、②健康診断結果の評価指標から学校特性・問題を把握して課題を抽出する。③抽出された課題から解決策を導き、保健管理・保健教育・組織活動で行うべき対応策について具体的に検討する。」を行いました。ワークショップ2では、Ⅰ「保健管理」に関して〔1.課題に関する具体的な評価指標と数値の分析 2.各校の抽出された課題の提示、解決策の検討〕を行いました。 Ⅱ「保健教育」に関しては〔1.学級活動・HR活動での児童・生徒への指導内容の作成 2.学校長に対する健康診断結果の説明のまとめ〕を行いました。 Ⅲ「組織活動」では〔1.PTAに対する課題の説明と家庭での協力依頼内容の作成 2.地域の他の学校との協力を促すための方策の作成〕を行いました。その後各班10分のワークショップ発表を行い、講義講師の先生方から講評をいただき、午後1時20分に研修会は終了しました。

 いままでは年に3回実施の日帰り領域別講習の三領域すべて終了しないと生涯研修登録学校歯科医証が交付されないというハードルが高いものでしたが、今回から1泊2日の研修となりましたので以前より取得が容易になりました。学校歯科医としてのみならず、地区かかりつけ歯科医としての学校を含めた地域での取り組みを考えるうえで意義のある研修でありました。

 

 

(辻村 祐一、塚本 晃也 記)