平成30年度 第2回学校歯科研修会

 平成30年度第2回学校歯科研修会が2月23日(土)15:00より札幌歯科医師会館大講堂にて開催されました。

 

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 講師に北海道医療大学歯学部 口腔構造・機能発育学系 保険衛生学分野教授の千葉 逸朗先生をお迎えし「子どもたちの健康は大人が守る~健康格差を打破するには?~」と題して講演が行われました。札歯会員の他に、スタッフ、学校関係者(校長、養護教諭)など計51名が参加されました。

 8020推進条例の制定に伴って全道各地でフッ化物洗口が広がってきています。フッ化物洗口は永久歯のむし歯予防に効果的で、とりわけ集団におけるフッ化物洗口は誰でも等しく受けることができるため健康格差の解消にも利点があります。

 学校におけるフッ化物洗口にはまだ解決すべき問題点が残されています。それは①歯科医師や行政などフッ化物洗口を「させる」側の問題と、②学校、家庭などフッ化物洗口を「する」側の問題です。

 「させる」側の問題点として、歯科医師の及び腰や知識不足、歯科医師と行政、学校関係者とのコミュニケーション不足、歯科検診データの正確性などが挙げられます。「する」側の問題点としては、知識がないことによる「恐怖」、予防に対する意識の不足、とにかく「反対ありき」であることなどがあります。それぞれの問題点に対して論文や研究データを交えて解説いただきました。また、フッ化物洗口に対するQ&Aについてもご説明いただきました。

 質疑応答では参加者の養護教諭からフッ化物に対する安全性への不安が寄せられましたが、データに基づいた安全性を丁寧に回答されました。

 本研修会は昨年9月の胆振東部地震のために延期されて開催されました。奇しくも今回も直前に地震が発生しましたが、無事に開催することができて安堵しています。研修会の「中止」ではなく「延期」とご自身から決断いただいた千葉先生にこの場をお借りして感謝申し上げます。

 

 

(堀 稔 記)