第80回全国学校歯科保健研究大会

平成28年11月16日(水)・17日(木)の両日、東京都文京シビックホールにて第80回全国学校歯科保健研究大会が開催されました。『「生き抜く力」を育む歯・口の健康づくりの展開を目指して』を主題に、「明るい笑顔で未来をつくる学校歯科保健活動」を副題に研究協議が行われました。

 

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開会に先立ち、大会記念イベントとして書道家の金澤翔子氏による「笑」の文字の席上揮毫が行われました。
開会式に続き第55回全日本学校歯科保健優良校表彰ならびに第80回全国学校歯科保健研究大会記念文部科学大臣表彰がなされました。

 

記念講演 ジャーナリスト 池上 彰

『国際社会で生き抜く力』

アメリカ大統領選挙のトランプ氏の勝利やイギリスのEU離脱など、世界は「内向き」志向を強めています。これは、グローバル化が進む中での反動化が顕在化していることの現れです。こんな国際社会の中を生き抜いていくにはどうしたらよいかを述べられました。

 

シンポジウム

座長 東京医科歯科大学 名誉教授 黒田敬之

 

基調講演 明海大学 学長 安井利一

『「学校歯科保健の過去・現在・未来」~学校歯科保健を取り巻く課題解決へのストラテジー~』

歯・口の健康づくりは「健康」という難しい概念を目で見ることができる学習材としての利便性があります。学齢期は、乳幼児期の他律的健康づくりから成人期の自律的健康づくりへと移行する期間で、自己健康管理の育成には極めて重要な時期であることが述べられました。

 

シンポジウム1 元・福岡県春日市立須玖小学校 養護教諭 田中さえ子

『子どもたちの未来を築く健康教育の展開~「できる・楽しい・やって良かった」を実感させる歯・口の健康づくりを通して~』

学校における健康教育の推進は、単に知識を得るだけではなく知識を実践に生かすようにすることが重要です。子どもたちが自身の健康課題に気づき、進んで健康づくりに取り組めるような指導の実践が紹介されました。

 

シンポジウム2 日本学校歯科医会 常務理事 竹内純子

『学校歯科医として取り組む健康教育~明るく・元気で・笑顔の子どもたちを育むために!噛むから始める健康づくり~』

歯・口の健康に関する新たな課題として、咀嚼や口腔機能の未発達や中高生の歯周疾患の増加などが指摘されています。食と咀嚼をテーマに健康教育を進めていく取り組みの内容が報告されました。

 

2日目には領域別研究協議会が行われました。

・保育所(園)・幼稚園部会

・小学校部会

・中学校部会

・高等学校部会

・特別支援教育部会

の5部会に分かれ、各2校による研究発表がなされました。保育所(園)・幼稚園部会では園歯科医による親子歯科健康診断や、栄養・食育指導、子どもたちの「みたい!ききたい!やりたい!」気持ちを育てることへの取り組みなどが報告されました。

 

領域別研究協議会報告終了後、大会宣言が提出され閉会式が行われました。

 

 

(堀 稔 記)