第39回北海道学校歯科保健研究大会

 10月25日(金)午後1時より「北海道歯科医師会館」において、標記研究大会が開催されました。北海道歯科医師会藤田会長挨拶の後、「令和元年度北海道歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクール」および「令和元年度北海道学校歯科保健優良校表彰式」が行なわれました。

 

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 図画・ポスターコンクールでは16 名の小学生が表彰され、受賞作品は2階のロビーで展示されました。北海道学校歯科保健優良校表彰で札幌歯科医師会関係では、小学校の部から、優秀賞に札幌市立定山渓小学校、HBC賞に札幌市立新琴似北小学校、また中学校の部から、優秀賞に札幌市立定山渓中学校がそれぞれ選出され表彰を受けられました。表彰を受けられた関係者の皆様おめでとうございました。

 その後、北海道保健福祉部健康安全局の髙橋 収 主任技師と北海学園大学経営学部の田中勝則准教授による講演が行なわれました。

 髙橋先生は、「生え替りの時期の歯科保健」と題して講演され、北海道歯科保健医療推進計画「8020歯っぴぃプラン」の紹介、乳歯のむし歯の特徴、幼若永久歯については歯質が未成熟、小窩裂溝の形、歯磨きが難しい、食生活の変化などの理由によりむし歯になりやすく、予防には糖・細菌のコントロール、歯質の強化としてフッ化物の利用が有効だと話されました。

 フッ化物洗口(以下洗口)のむし歯予防効果に関する中学校における調査結果では、一人平均永久歯のむし歯本数では洗口実施(0.56本)は洗口なし(1.02本)の半分以下で予防率45%、4本以上のむし歯がある生徒の割合では洗口実施(2.8%)は洗口なし(11.7%)の4分の1であったとの報告がありました。

 今後の歯科保健では自分自身によるセルフケア、学校職域などによるコミュニティケア、歯科医院によるプロフェッショナルケアの3つのケアを推進していけると良いと結ばれました。  田中先生は、「北海道における自殺予防教育の現状と今後に向けて」と題して講演され、学校における自殺予防教育の必要性、北海道における自殺予防教育プログラム、今後の自殺予防教育に向けた課題について話されました。

 日本における自殺者は年々減少中ではあるが、10代の自殺者は減っていない。特に15歳から19歳の死因の1番は自殺で、思春期特有の心と体が不安定なこと、人間関係が広がりかつ複雑になり不登校や自傷行為などを繰り返し、最悪の場合自殺につながるケースがあるとのことでした。

 子供たちの将来の命を守り、心の健康を保つため課題が山積しているが、相談しやすい人間関係の環境づくりが大切だと結ばれました。

 

 

(塚本 晃也 記)