第38回北海道学校歯科保健研究大会

 平成30年10月12日(金)13時より北海道歯科医師会館において第38回北海道学校歯科保健研究大会が開催されました。

 

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 まず北海道歯科医師会会長藤田一雄先生から挨拶があり、北海道教育委員会教育長より祝辞をいただきました。

 次に表彰式が行われ平成30年度北海道歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクールの各部門で受賞された児童が表彰されました。札幌からは北海道歯科医師会会長賞に高学年の部で札幌市立白石小学校6年の後藤優渚さんが受賞しました。

 続いて第1部で「北海道の学校における色覚検査の現況と対策」と題して医療法人社団北野通り眼科 院長 中田勝義先生の講演が行われました。2003年より小学校における色覚検査が中止されたため、色覚異常に本人が気づけず進路を直前に断念するケースも報告されています。色覚異常は簡単な検査で発見できます。残念ながら先天性色覚異常の場合、治療法はなく、生涯を通じて程度はかわりません。軽くなることも重くなることもありません。本人の対策として、自分の色覚の特徴を知る、良好な視力で正面から見る、落ち着いて注意深く見る、予め知識を持っておく、色だけで判断しない習慣をつける、信頼できる人に聞いて確認する等があります。小さな失敗を繰り返しているうちに経験をつんでゆき、大きな失敗をしないように成長していけます。

 第2部では「歯科医の知っておきたいアレルギーの知識 食物アレルギーを中心に」と題して医療法人社団恵幼会 わたなべ小児科・アレルギー科クリニック 院長 渡辺徹先生の講演が行われました。腸管からのアレルゲン侵入はアレルギーの耐性獲得になり、皮膚からのアレルゲン侵入が食物アレルギーの発症につながるため、皮膚炎を放置すると食物アレルギー発症のリスクが高まると考えられます。食物アレルギー発症を予防するためには、皮膚をきれいに保ち、乳児期早期から種々の食品を与えることが大切です。食物アレルギーによるアナフィラキシー時にはエピペンを適切に使用することが大切で、デモ機を使っての実習も行われました。

 

 

(清水 健司 記)