平成28年度 第1回学校歯科研修会

 平成28年度第1回学校歯科研修会が9月17日(土)15:00より札歯会館大講堂にて開催されました。講師には本年より日本学校歯科医会会長を務められている丸山進一郎先生をお迎えし、「楽しい学校歯科保健にするために」と題してご講演いただきました。52名の札歯会員の先生方の他に従業員5名、郡市区会員の先生1名、養護教諭5名の合計63名が出席されました。

 

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 まず始めに、最近の子どもたちの口腔疾患や生活習慣、口腔機能の現状についてお話しいただきました。子どもたちのむし歯は軽減化しているが、生活習慣の大人化(深夜化、ストレスの増大、食生活の乱れ)により歯肉炎が顕著になってきていることや、食べる、話す、鼻呼吸、表情などの口腔周囲の機能が健全育成していないことを示されました。

 

 次に、本年4月に改定が行われた学校歯科健康診断の内容について、実際の流れに沿って詳しくご説明いただきました。顎関節の診査には保健調査票を活用すること、歯列・咬合判定「2」の基準が変更されたこと、COやGOは教育教材として生かすべきであることなどをお話しいただきました。

 会場からは「歯垢・歯肉の状態の診査について前歯部の状態をチェックすることになっているが、前歯部には問題がなくても臼歯部にプラークの付着や歯肉の発赤・腫脹が認められる場合の取扱いについてはどうしたらよいか?」との質問がありました。丸山先生からは「統計処理という点で問題はあるのかもしれないが、児童生徒の健康や教育という観点からは臼歯部のみに異常が認められる場合もGあるいはGOと判定して良いのではないか」とのご回答をいただきました。

 

 学校歯科保健と小児歯科臨床に長年携わって来られたご経験からの臨床例も示されました。演題の通り、丸山先生ご自身が学校歯科保健を心から楽しまれていることが伝わるご講演でした。

 

 

(堀 稔 記)