第74回全国学校歯科保健研究大会

 

 

今年度の標記大会が平成22年10月28日(木)~29日(金)、茨城県つくば市つくば国際会議場(エポカルつくば)で開催されました。

 

近年、社会状況等の変化に伴い、様々な健康課題が生じており、歯科保健においても咀嚼など口腔機能の未発達や口腔の疾病の増加など、様々な課題が顕在化しています。
そのような中、学校歯科保健活動は、学校教育の一環として位置づけられ、これまでも多岐にわたり活発に推進されてきました。
第70回大会からは5年間を見通して「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して」の主題のもと、各回ごとに焦点を絞ったサブテーマを設定し研究協議が進められてきました。今回は本主題の総括の年にあたります。そこで子どもたちの「自律的な健康つくり」をなお一層推進させるためには、これまで以上の「学校・家庭・地域社会」の連携が必要であるとの観点から、『「生きる力」を考える…学校・家庭・地域社会の連携の在り方』をサブテーマに大会が進行されました。

 

初日は開会式・表彰式のあと記念講演で岡山大学病院小児歯科の岡崎好秀先生が『歯科医師から見た健康教育「太陽型vs北風型健康教育」』という演題で講演されました。健康教育は知識のみを伝えるのではなく、感情を交えて伝えることが大変重要であると、興味深いエピソードをいくつか例に出しながら、情熱的にお話をされました。午後からは全体シンポジウムがありました。『「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して」「生きる力」を考える…学校・家庭・地域社会の連携の在り方』というテーマで、学校、PTA、行政、学校歯科医会の各代表者達がそれぞれの立場で努力していること、また日頃難しく感じていることなどを発表し合い、大いに意見を交流させました。

 

2日目は、まず開催地である地元茨城県の筑西私立竹島小学校の実践発表からスタートしました。歯・口の健康つくりの実践を通して、児童が自分の健康課題に気付き実践する意欲を持っていく様子が報告されていました。次に領域別研究協議会に入り小学校、中学校、高等学校など5つの部会に分かれ、それぞれ基調講演と研究発表を2題終了した後、会場も参加してのディスカッションが行われました。

 

私は小学校の部に出席しました。児童生徒の「生きる力」を育むために「学校・家庭・地域」の連携を推進させるには何が大切か、今後の課題は何なのかといった内容で、熱心な発表と意見交換が交わされました。午後からは又全員大会場に集合して、各領域別研究協議会で話し合われたことの報告と総括が行われました。
つづいてその内容をふまえた全体協議会へと入り、次年度からのメインテーマについて活発な協議を行い閉会となりました。来年の次期開催地は愛媛県松山市が予定されています。

 

(高橋 修史記)