第61回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会並びに第61回指定都市学校保健協議会報告

大阪市のリーガロイヤルホテル大阪において平成22年5月15日(土)午後2時より標記協議会が開催され、藤田会長、紅林副会長、大橋理事が出席しまし た。午前中は開会式、全体協議会、記念講演が行われ、午後からは4つの分科会に分かれ、課題別協議会が行われました。大阪市教育長、日学歯会長の挨拶後、 主題「子どもたちのために学校歯科医は何をすべきか-学校保健安全法の改正に伴って-」との主題のもと協議が行われました。これは50年振りに昭和33年 に施行された学校保健法が学校保健安全法に改正され、学校歯科保健に対する学校歯科医の予防処置や指導、助言が法律によって定められたことによります。
平成21年4月から施行された主な点は、

 

1)学校安全計画だけではなく学校保健計画の立案にも参与すること。
2)保健指導に関しては従来の「保健指導を行うこと」から強い意味合いの「保健指導に従事すること」
と変更された。
3)健康診断後の必要な指導や助言は、遅滞なく指導の時期が明確になり保護者にも必要に応じて
行なうことが明記された。
4)当該学校の所在する地域の医療機関、その他の関係医療機関との連携を図ることが明示された。

 

このように学校歯科保健に対する学校歯科医の予防処置や指導、助言が法律によって定められたのが大きな改正点に挙げられています。
続けて主題に基づき3都市の口頭提言が行われました。名古屋市学校歯科医会の提言は教育委員会の委託事業の1つとして展開している、12歳でむし歯1本以下の運動「121運動」についての内容でした。
京都府歯科医師会は、京都市の事業となっている平成17年からの市内全小学校におけるフッ化物洗口について提言を行い、広島市歯科医師会は教育活動としての学校歯科保健の取り組みについて提言を行いました。
その後誌上提言を行った神戸、さいたま、福岡、札幌、仙台、川崎、北九州、静岡、大阪各都市に加え、オブザーバー参加の岡山、堺から提言の説明が行われ、活発な意見交換が行われました。

 

翌日5月16日(日)大阪国際会議場において午前9時より第61回指定都市学校保健協議会が開催され、昨日同様、藤田会長、紅林副会長、大橋理事の3名が出席しました。
開会式後の全体協議会の場において、次回の第62回大会が京都市で開催されることが承認され、開催日は平成23年5月22日(日)となりました。
全体協議会後に元陸上選手の朝原宣治氏による「諦めなければ夢は叶う-陸上競技人生20年の軌跡-」と題した記念講演が行われました。朝原氏は大学生時代 に100mの日本記録を樹立し、大阪ガスに入社後ドイツへ陸上留学しております。オリンピックには4回連続出場し、100mの日本記録を3度も更新するな どすばらしい成績を収めております。現在は次世代のアスリートの育成の為の陸上競技クラブを設立し、子供たちへ自分の得たキャリアを伝えながら子供たちの 健全な育成に尽力されています。
昼食時には兵庫医科大学教授 服部益冶によるランチョンセミナーが行われ、食事を取りながら「小児の脱水症と経口補水療法について~学校での熱中症、嘔吐下痢症の対策~」と題した講演を聴講しました。
午後1時からは4つの分化会に分かれ、15分の休憩をはさみ午後4時30まで課題別協議会が行われ、20もの充実した内容の口頭提言がなされました。