第59回全国学校保健研究大会

 

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平成21年11月10日(火)・11日(水)に第59回全国学校保健研究大会が広島市広島国際会議場で開催されました。11日午前9時30分より課題別 協議会が始まり、第7課題・生涯にわたる健康管理の基礎となる歯・口の健康つくりの進め方に出席しました。内容は研究発表が3題、講義が1題でした。

趣旨

生涯にわたる健康づくりを実践するためには、自分の歯や口の健康に関心をもち、自分の課題を把握し、解決していくことができる資質や能力を育てることが大切である。
そのため、歯・口の健康つくりをめざした学校歯科保健活動の進め方について協議する。

研究発表

1)健康診断の効果的な実施と結果等を活用した健康教育の充実
-児童生徒一人一人のニーズに応じた歯・口の健康つくり-
山口県立周南総合支援学校 養護教諭 阿部幸枝 氏

特別支援学校における、健康診断の効果的な実施に向けた取り組みや事後の活動、また教諭や養護教諭による歯みがき指導や学校歯科医等による講習会、さら には、学校保健委員会での取り組み等、学校、家庭、関係機関と連携し、一人一人の疾病や障害の状況に応じた歯・口の健康つくりについて発表した。

2)生涯を通じた健康つくりに取り組む児童の育成
-歯・口の健康つくりを糸口として-
広島県福山市立熊野小学校 教諭 清水弓記子 氏、養護教諭 萩原桂子 氏
生涯を通じて健康な生活を送る基礎を培うとともに、自律的な児童を育てるために、各学年の健康教育学習テーマのもと、総合的な学習の時間を中心に教科、 道徳、特別活動と関連させた実践や参加体験型の学習、さらには様々な歯科保健活動の取り組み等の成果と課題について発表した。

3)学校、家庭及び地域社会が連携した学校歯科保健活動の進め方について
-地域で取り組んだヘルス・プログレス-
東京都中野区立緑野中学校 学校歯科医 田中英一 氏

学校歯科医の立場から、これまでの「管理と疾病の診断」だけでなく「教育と健康」を意識した歯科保健活動への問題意識を端緒に、地域の歯科医師会や学校 歯科医が、歯・口の健康つくり推進委員会を中心に、養護教諭部会との活動、地区懇談会でのシンポジウム、参加体験型の歯科保健学習等、中学校での学校歯科 保健活動の実践を発表した。

講義

生涯にわたる健康管理の基礎となる歯・口の健康つくりの進め方
-自らの健康を見る目をはぐくむために-
明海大学 学長 安井利一 氏

生涯を通じた健康管理は、学童期から成人にかけて、保護者から自分自身による管理へと移行していく。健康に対する意識は成人になって自然と形成されるも のではなく、小児期からの生活習慣や生活環境に左右されることが大きい。学童期の健康教育は重要であるが、病気の実体が直接的に見えないため生活習慣病を 理解してもらうことは、子ども達にとって難しい。
自分の健康を見る目を養う点で、歯・口の健康課題は鏡を見ることによって状態や変化を直接的に観察できる貴重な学習素材となる。学校における歯・口の健 康つくりの進め方を保育園・幼稚園、小学校、中学校、に分け発達段階に応じた指導と、動機づけについて講演がありました。