第73回全国学校歯科保健研究大会

平成21年10月29日(木)30日(金)両日、京都にて第73回全国学校歯科保健研究大会が開催されました。

 

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北海道では初雪の便りが聞こえそうでしたが、京都では連日、25度という初夏を思わせる暖かさで、思いがけず汗だくで参加してきました。 大会のメインテーマは「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して」~「はぐくむ」を考える・・子どもたちへの支援的教育活動の確立に向かって~です。一 日目は開会式・表彰式・記念講演・シンポジウム・懇親会の順に行われました。 記念講演は、「はぐくむ」を考える-心理学からのアプローチとして、京都大学大学院教育学研究科教授 副研究科長・子安増生氏を講師として行われました。 心理学の見地から、1997年「酒鬼薔薇聖斗」事件(少年A事件)、この事件を題材にして、心の理解の発達のあり方について解説されました。子どもたちの 成長過程において、「心の理解」の欠如は、いわば常時「空気が読めない」状態であり、日常生活の上で大きな支障になり、一方、「心の理論」を獲得すれば、 みんなが聖人君子になれるわけではなく、「うそ」や「秘密」といった子どもの発達過程で現れる問題になりえ、いつどのように子どもを自立・独立させるか? 段階的な対応が必要であると説明されました。 続いて行われた、シンポジウムは、今大会のテーマを掲げ、 座長は、東京医科歯科大学名誉教授 黒田敬之先生、 シンポジストとして、以下の内容についてそれぞれ20分程度講演され、座長を中心に活発なシンポジウムが行われました。

・「生きる力」をはぐくむ歯・口の健康つくりをめざして
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 教科調査官 森 良一

(1)改正教育基本法を踏まえた学習指導要領の改訂について

(2)全日本学校歯科保健優良校表彰

(3)歯・口の健康つくりの総合的展開について

・市民の歯・口の健康と食育について
京都市長  門川 大作

(1)「歯ッピー・スマイル京都」の策定

(2)「本市の食育」の推進について

・食育の立場から「歯・口の健康つくり」を考える
京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授 大谷 貴美子

(1)児期から始まる食の準備

(2)0~3歳は口に集中する経験の集合体である

(3)口ほど繊細で働き者の器官はない

(4)口の機能の発達と食事

(5)咀嚼の意義

(6)咀嚼と脳の発達

(7)咀嚼力と運動

(8)咀嚼力と寿命

(9)咀嚼力を育むために

・「生きる力」と健康支援から「はぐくむ」を考える
昭和大学歯学部口腔衛生学 教授 向井 美恵

(1)社会的背景

(2)学校歯科保健における取り組み

(3)学校歯科保健と食育

(4)学校歯科保健で目指すもの

(5)歯科医学的視点から

二日目には、実践発表と領域別協議が行われました。 実践発表では、京都市立小栗栖宮山小学校から、教諭・養護教諭・学校歯科医それぞれから発表がありました。 領域別協議でも、小学校部会に参加してきましたが、各地での保健活動の実際を教えられ、全国に熱心な先生が多く大変参考になる大会でした。