第59回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会

標記協議会が平成20年5月17日.午後2時より広島市で開催されました。来賓挨拶等の後、二つの分科会に分かれて協議が行われました。

 

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主題:「心身ともに健全な子どもたちを育む学校歯科保健の新たなる展開」

 

第一分科会:「変革期に来た学校歯科保健について」
第二分科会:「食育も含めた歯および口腔に関する新たな健康課題について」

 

その後、全体会議が行われ、本協議会から日本学校歯科医会に提言を行うことを確認して終了いたしました。

後日、主催の広島歯科医師会から日学歯に対し、「要望書」が提出されました。以下、要望書の要旨です。

 

1.本協議会は、指定都市で構成された学校歯科保健現場に直接かかわる組織でありながら、これまで本協議会の成果は、貴会において充分に反映されているとは言い難い。今後は本協議会からの意見・要望を充分斟酌し、しかるべき対応ができる連携の構築を検討されたい。

 

2.学校歯科保健活動の推進には法的環境の整備が望まれる。教育基本法・学校教育法はもとより、学習指導要領や健康増進法、とりわけ学校保健法・食育基本 法・学校給食法および各法施行令など、学校歯科保健関係各法の充実と完全実施に向けて、関係各機関への働きかけを要請する。

 

参加各都市からの意見

 

①日本学校歯科医会と指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会(以下、本協議会)との関係について
・本協議会で集積されたデータと協議の成果は、日本学校歯科医会との緊密な連携のもとに、学校歯科保健活動の今後更なる充実発展のために生かすべきである。

 

②情報の提供と共有について
・日本学校歯科医会の方針が、これまで各地方の加盟団体・都市に充分に伝わっていなかった。日本学校歯科医会は、会員のみでなく学校現場、とりわけ学校歯科保健関係者への情報発信の充実を図ってほしい。

 

③日本学校歯科医会が検討している認定医制度について
・学校歯科医の資質の向上のために、日本学校歯科医会が研修やガイドラインを課すことはやぶさかではないが、認定制度については慎重に検討して欲しい。地方の時代となった今、各都市それぞれの環境があるので、学校歯科医の資質向上の実践は地方に委ねてほしい。

 

④食育について
・栄養教諭の配置や給食時間の問題など、学校現場における諸課題についての法的整備は、日本学校歯科医会からも積極的に働きかけてほしい。
・学校現場からの意見をもっと取り上げていただき、食育の推進に反映してほしい。
・食育の推進においては、その方向性を明確にし、質の高いエビデンスをもとに情報提供の充実を図る必要がある。
・日本学校歯科医会が提唱している食育の定義・ガイドラインに基づいた、啓発やアクションプラン、ツールなどを示してほしい。

 

⑤学校現場からの要望
・家庭への働きかけや啓発のために、最新の医学的・科学的な情報がほしい。
・児童生徒・保護者・教職員への視聴覚に訴える教材がほしい。

 

⑥その他
・「よくかむこと」と「心の健康」との関連について、エビデンスが得られる調査研究を実施し、データの集積に努力してほしい。
・歯科健康診断票に、「ネグレクトヘの気付き」の項目を入れてほしい。
・フッ化物の応用に対して、日本学校歯科医会はもっと積極的に取り組んでほしい。
・12歳児だけではなく、15歳児のDMF指数を調査してみてはどうか。

 

その他の提言

 

歯科疾患に関する現行の学校病はう歯のみであり、歯肉炎は対象外である。是非とも歯肉炎を学校病として認定すべくご尽力を賜りたい。