活動報告
平成25年度 認可保育園(所)・私立幼稚園 フッ化物洗口講習会
- 2013/12/12 木
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認可保育園(所)・私立幼稚園フッ化物洗口講習会が平成25年10月8日(火)19:00より札幌歯科医師会館5階大講堂で開催されました。
事前アンケートに対して参加意向の返答をしてきた園の関係者14名(9園)、嘱託歯科医10名、他10名の計34名の受講がありました。
講習は、1)フッ化物洗口の基本知識について フッ化物洗口の実施方法について、2)フッ化物洗口の具体的な実施手順について、という内容で行われました。
1)フッ化物洗口の基本知識について フッ化物洗口の実施方法について
北海道保健福祉部健康安全局地域保健課医療参事の佐々木健氏によりフッ化物とはどういうものであるか、フッ化物洗口を始めるにあたっての流れや保護者に対する説明などの話がありました。
2)フッ化物洗口の具体的な実施手順について
札幌歯科医師会学校歯科担当理事の大森幹朗先生により調剤指示書の書き方、フッ化物洗口溶液の取り扱い方法などの説明や、すでにフッ化物洗口を行っている幼稚園での具体的な実施方法の話がありました。また、実際の洗口の方法なども実習を交えて説明してもらいました。
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平成25年度第1回学校歯科研修会
- 2013/12/12 木
- 会員のページ > 活動報告
平成25年5月18日(土)午後3時より、「世界で一番聞きたい健康教育論」と題してモンゴル医科大学客員教授(前岡山大学病院小児歯科講師)岡崎好秀先生を講師としてお招きし、標記研修会が開催されました。
今回の研修会は、市民公開講座として開催したところ、養護教諭や歯科衛生士など会員以外からも多くの出席者にお集まりいただき非常に実りのある研修会となりました。
講演では、イソップ物語の「北風と太陽」のお話を例に出して、歯科における健康教育は患者さん自らが生活習慣を変える必要があるため、「〇〇しなければならない」というような北風型(説得型)の話し方ではうまくいかず、太陽型(納得型)の指導が必要であると話されました。そのためには、大切なことは一方的に教えずクイズにすることや、聞いている方が「ヘエ~! なるほど!」など感嘆詞が出るような内容にすることが効果的で、また知識は知識脳(高等哺乳類脳)に入れるだけではすぐに忘れてしまうが感情脳と結びつけることによって長く記憶に残ると述べられました。
今回の講演でもたくさんの楽しいスライドとクイズ形式の内容で、今後の保健指導にとても役に立つ楽しく、またあっという間の2時間でした。(高野 光彦 記)
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第77回全国学校歯科保健研究大会報告
- 2013/12/12 木
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10月17日(木)・18日(金)の両日、第77回全国学校歯科保健研究大会が、熊本県熊本市の市民会館崇城大学ホールと熊本市国際交流会館で開催されました。
メインテーマとして「生きる力」をはぐくむ歯・口の健康づくりの展開を目指してとし、サブテーマとして〈学校歯科保健で取り組む食育と口腔機能の健全な発達支援を考える〉とし研究協議が進められました。
1日目
基調講演 学校歯科保健で取り組む食育と口腔機能の健全な発達支援を考える
「食育と口腔機能」
東京医科歯科大学 名誉教授 黒田敬之
「食育」は決して新しい言葉ではありません。過去の書物を見ると明治の時代から食育は子育てとしつけの基本であったことがうかがえます。単に食育を語るには範囲が広すぎて収拾がつかないので、学校保健の分野で考えると、平成17年に「食育基本法」が制定されてから、給食をいろいろな意味での教材として保健教育のカリキュラムが組まれてきているといえます。そこで「食育」に関連して、摂食行動の窓口を担う顎・口腔系の成長発育並びに総合咀嚼器官としての機能評価を行うというテーマについて講演されました。学校保健での食育の歴史から始まり、学校教育での食育の取り組みについて述べられてから、顎顔面構成要素(歯・歯列・咬合、歯槽骨を含む顎骨)の成長発育と口腔機能の発達について、顎関節の成長発育、総合咀嚼器官としての調和とくに軟組織としての関係、咀嚼能力の検査について講演されました。歯科医から見る食育に関しては、いろいろと難しい面が多々ありますが、歯科医の専門知識を持って学校保健活動にかかわれることが望ましい形だと思います。
「子ども達の発達段階に応じた、情緒的、道徳的側面を組み入れた適切な健康教育指導が今後の学校歯科における重要な案件になると信じている」として講演が終了しました。
シンポジウム
学校歯科保健で取り組む食育と口腔機能の健全な発達支援を考える
1.大阪歯科大学小児歯科学講座 教授 有田 憲司
「食べ方」を視点にした食育の意義
~食育はヒトが人間になる過程の重要な支援~
2.東京都中野区立緑野中学校 学校歯科医 田中 英一
学校歯科医 現場の声
3.公益社団 全国学校栄養士協議会 理事 福岡 ちづる
学校給食を「生きた教材」として活用した歯・口の健康づくり
4.熊本県教育庁教育指導局体育保健課課長 平田 浩一
地方行政の視点から
上記の演題で4名のシンポジストからそれぞれの立場で、取り組み事例の報告がありました。。
有田教授のお話では、乳児嚥下から成人嚥下に変化することが他の動物にないハードルであり、食育は呼吸への配慮も重要で姿勢もポイントであることが興味深い内容でした。。
福岡先生のお話では、地元の食材にこだわり、歯ごたえのあるものを生徒に分ってもらってから給食に出して、噛むことの大事さを理解してもらうようにしているとのことでした。
2日目
領域別研究協議会
・保育園・幼稚園部会
1.幼稚園、保育園時期の子ども達の発育の把握と現場での口腔育成に
関する取り組み、調査とその実態報告
2.元気いっぱい・笑顔いっぱい・友だちいっぱいの子どもの育成
~歯みがきで心も身体も健康に~
・小学校部会
1.自分の体に関心をもって、健康づくりを実践していく子どもの育成
~「歯・口の健康づくり」を通して~
2.歯みがきからひろがる豊かな健康づくり
~学校歯科医・家庭・地域と連携した歯科保健活動を通して~
・中学校部会
1.歯・口・食の健康づくりを通した生活習慣のブラッシュアップを目指して
~生徒の健康意識向上のための”つながる”歯科保健活動を考える~
2.生徒が自主的に考え実践する歯と口の健康づくりの推進
~むし歯予防を通して生活習慣病の自主的な改善~
・高等学校部会
1.地域の健康課題を意識した歯・口の健康づくりの進め方について
~天草地区養護教諭部会との連携及び生徒保健委員会の活動を通して~
2.「食」を通して考える自立的な歯と口の健康づくり
~全日制・夜間定時制でのそれぞれの取組み~
・特別支援教育部会
1.よい歯でよく噛みよい体! ~歯・口の健康意識の向上を目指して~
2.本校における「歯科保健教育」の取り組み ~健康的な社会生活を目指して~
各部会では、それぞれ2名の発表者が学校での実践活動についての研究発表がありました。
提言を行う学校ではそれぞれの特色を生かした学校保健活動を行っており、活発な質疑応答が行われていました。
学校歯科保健にかかわる関係者がさらに連携を深め、子供たちの望ましい生活習慣を形成するとともに、様々な健康課題の解決に寄与していくことを目指して閉会しました。(齋藤嘉高記)
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「平成18年~平成24年学校歯科医活動報告書」の総括
- 2013/12/12 木
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第64回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会並びに第64回指定都市学校保健協議会報告
- 2013/12/12 木
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平成25年5月25日(土)、26日(日)の両日、神戸市において標記協議会が開催され、藤田会長、大橋担当理事、大川委員長が出向いたしました。
第64回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会
5月25日(土)午後2:00より新神戸ANAクラウンプラザホテルにて開催され、名古屋、福岡、仙台、北九州、大阪、岡山、相模原、さいたま、神戸、札幌、熊本(オブザーバー)の11都市の歯科医師会または学校歯科医会の参加がありました。
◇
主題「今後の指定都市学校保健協議会 前日歯科保健協議会のあり方」
本協議会は、政令指定都市の学校保健会が主になって持ち回りで開催する「指定都市学校保健協議会」の前日に開催されてきたが、不参加や脱退のため、今後「指定都市学校保健協議会」開催都市の歯科医師会が本協議会に加盟していないという事態がたびたび起こることが予想される。その場合、本協議会の開催が危ぶまれることから、以前よりその対応について継続的に話し合われてきたが、今回は本格的に協議主題として取り上げ、方向性を決めようということになった。
◇
「ここ数年における各都市での学校歯科保健事業の取り組みについて」
まず、各都市から学校保健関連事業の取り組みについての報告が行われた。
その中で、さいたま市からは、埼玉県歯が日学歯の加盟団体になっており、さいたま市歯科医師会は加盟団体ではないので、さいたま市歯科医師会が選定する学校歯科医が日学歯の会員ではないという事態が起こるという問題点が示された。
名古屋市学校歯科医会からは、これまで手作りだったHPを業者に依頼して充実したものにリニューアルしたことが報告された。
大阪市学校歯科医会からは、行政の財政難により、私立幼稚園の民営化など学校歯科保健事業に支障を来す状況が報告された。また、デジタル化による新しいディバイスの開発、導入をすすめ、情報の分析、データの蓄積により各学校歯科医への支援体制を整えるべきとの提言がなされた。
岡山市歯科医師会からは、学校歯科健康診断の「岡山方式」について説明があった。岡山市では毎年5月に私立幼稚園、小中学校の健康診断を同一日の午前中に一斉に行っている。66才までの歯科医師会会員全員の参加を義務づけている。
◇
「今後の指定都市学校保健協議会 前日歯科保健協議会のあり方」
協議では、まず、本協議会を何らかの形で毎年継続開催していく方針が確認された。その上で、開催時期、開催幹事都市、費用の軽減などについて話し合われた。来年度、すでに脱退している横浜市歯科医師会の代わりに協議会を開催することが決まった名古屋市学校歯科医会より、再来年の名古屋市開催以降、幹事都市が空白となる4年間について、「学校歯科医会」として活動している名古屋、大阪、福岡が中心となって運営していく案が出され、来年度、再来年度をかけてその案を軸にさらに具体的に検討していくことになった。
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第64回指定都市学校保健協議会
5月26日(日)午前9:00より神戸市学校保健会、神戸市教育委員会の主催で神戸市看護大学において開催されました。午前中は全体協議会と記念講演、午後からは課題別協議会が行われました。
◇
協議主題 「生涯にわたり、心豊かにたくましく生き抜く力を育む学校保健の推進」
近年社会の変化に伴い、健康の保持増進の観点から早急に取り組むべき新たな健康課題が指摘されている。
21世紀を生きる子どもたちに対して、学校園においては、自分の健康状態に関心を持ち、健康上の課題を見つけ、自ら調べ考え、解決に向かって主体的に行動できるような資質や能力を身につけるための保健教育活動を推進させる必要がある。特に学校は、家庭や地域の関係機関・団体と連携を深め、それぞれの役割分担を明確にし「たくましく生きる力」が育まれるようにコーディネイトしながら相互に支援協力を推進させることが重要である。
本協議会においても、生涯にわたり心身ともにたくましく生きる子どもの育成を目指して、学校保健に関する諸課題について医師会・歯科医師会・薬剤師会等医療関係者や各種団体と学校関係者が研究協議を行い、学校保健の充実発展に資するものとする。
【課題別協議会】
下記の4分科会に分かれて行われ、合計20題の口頭提言がありました。
第1分科会 健康教育 「生涯にわたって健康の保持増進に取り組む子を育てる健康教育」
第2分科会 保健管理 「子どもの健康の保持増進につながる保健管理のあり方」
第3分科会 心の健康 「心の健康づくりをめざす組織体制と支援のあり方」
第4分科会 地域保健 「学校・家庭・地域の連携で進める学校保健活動」
〈歯科関連抜粋〉
第1分科会 No.3
「私の歯・口腔を知ろう」
― 子どもが歯・口腔状態を知り、健康の保持増進につなげるための学校と学校歯科医の取組 ―
境市立東三国丘小学校 学校歯科医 森 純一
歯科指導推進のための取組
(1)歯科衛生士による指導
歯科衛生士は各学校歯科医の診療所に勤務する者を含め多くの人材を集め、事前に講習会を
実施。
(2)堺市歯科衛生士専門学校生による歯科指導
(3)保健センター歯科衛生士による歯科指導
(4)学校園への指導教材の貸し出し
(5)教職員と学校歯科医の研修会
・7月に学校歯科医会主催にて開催。
・各学校の学校保健安全委員会の場で学校歯科医が講師を務め教職員の研修会を開催。
◇
第3分科会 No.2
児童虐待の現状と課題について ~学校歯科医としてどうかかわるか~
横浜市立戸塚小学校 歯科校医 村松 朋彦
①口腔内の外傷(歯の破折や粘膜の損傷等)の放置
②口腔周囲の外傷、全身の外傷
③萌出直後からのむし歯
④多数歯のう蝕罹患
⑤重度のう蝕の放置
⑥きわだった口腔内の不潔
以上のような所見が見られる児童は養護教諭、学級担任に必ず報告する必要があると思われる。最終的には校長の判断で通報することになるが、大切なのは校長一人に任せないということである。ミーティングを学校医、学校歯科医を交えて行うことで、専門的な意見が出て通報しやすい状況が生まれると思われる。
虐待の早期発見には学校の教職員と学校歯科医の連携が非常に大切である。
◇
第4分科会 No.5
歯磨きから始まる歯と口の健康づくり
熊本市立東町小学校 学校歯科医 井手 裕二
熊本市歯科医師会主催で昭和47年に始まった小学校における「歯磨き巡回指導」は、熊本県歯科衛生士会熊本市支部の協力を得て、毎年6月と11月に行われている。指導の際は、ボランティアの8020推進員に染め出し剤の配布や個別指導の支援をお願いしている。また、保護者の参加により理解を深めてもらうようにし、特別支援学級では仕上げ磨きに協力していただく。担当の学校歯科医とその診療所の歯科衛生士にも参加してもらい、個別指導の支援などの協力をお願いしている。(大川晋一 記)
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第33回北海道学校歯科保健研究大会報告
- 2013/12/12 木
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平成25年10月25日(金)午後1時より北海道歯科医師会館において、第33回北海道学校歯科保健研究大会が開催されました。会長挨拶の後、平成25年度北海道学校歯科保健優良校および平成25年度北海道歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクールの表彰式が行われました。札幌歯科医師会関係では、北海道学校歯科保健優良校として小学校の部から、優秀賞として札幌市立定山渓小学校、HBC賞として札幌市立新琴似北小学校、奨励賞として札幌市立山鼻小学校、努力賞として札幌市立東札幌小学校が、また中学校の部から優秀賞として札幌市立定山渓中学校がそれぞれ選出され表彰を受けられました。表彰を受けられた関係者の皆様おめでとうございました。
その後午後2時より、北海道大学大学院歯学研究科教授の八若保孝先生と北海道医療大学歯学部教授の齊藤正人先生による講演が行われました。
八若先生は、「小児の各種口腔疾患―学校歯科健診での留意事項―」と題して講演され、実際の学校歯科健診の流れに沿って「歯列・咬合」、「顎関節」、「歯垢の状態」、「歯肉の状態」、「歯式・歯の状態」、「そのほかの疾病および異常」のそれぞれの項目において留意すべき事項を具体例を挙げて、また治療法も併せて説明されました。その中でも特に留意してほしい点として「歯の交換の順序がおかしい」ことや、「歯が萌出してこない」こと、および「第一大臼歯(第二大臼歯)の異所萌出」を挙げておられました。
齊藤先生は、「授業を聞くときは口を閉じましょう」と題して講演され、ある小学校での調査によると授業中に口をポカーンと開けている安静時開口の子どもが50%以上おり、さらに口呼吸している小学生は約30%で増加傾向にあるとのことです。また口呼吸は治りにくいことや、鼻呼吸の大切さ、口呼吸の弊害について述べられ、口呼吸を治すには各種筋機能訓練法もありますが大切なのは楽しく明るく有意義な学校生活を過ごすことで表情が豊かになり口の周りの筋肉がついてくることだと話されました。
(高野光彦記)
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第62回北海道学校保健研究大会留萌(羽幌)大会報告
- 2013/12/12 木
- 会員のページ > 活動報告
「北の大地を生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる子どもの育成を目指して」の大会主題のもと、場所によっては白い雪化粧をほどこした11月17日(日)、海と山に囲まれた羽幌町に於いて第62回北海道学校保健研究大会が開催されました。
前日の16日(土)には羽幌町富士屋旅館で、北海道歯科医師会、留萌歯科医師会主催による懇談会が行われました。今大会で表彰される功労者の先生方を囲み、道歯からは会長並びに担当理事、留萌歯科医師会からは会長及び理事の先生方、各郡市区歯科医師会の学校歯科担当役員の先生方と盛大に執り行われました。功労者の先生の貴重な体験やご意見などを拝聴いたしまして、大変意義のある中でも楽しく歓談を行いました。
17日9:30より羽幌町立中央公民館において開会式・表彰式・基調講演が行われました。まず、北海道教育委員会教育長、日本学校保健会会長(代理)、北海道学校保健会会長の主催者挨拶、続いて北海道留萌振興局長、羽幌町長の来賓挨拶がございました。学校保健功労者表彰では、学校医34名、学校歯科医48名、学校薬剤師15名、教職員6名の計103名が授与されました。
基調講演では(前国立感染症研究所感染症疫学センター主任研究官)大阪府済生会中津病院臨床教育部副部長 安井良則 氏が「学校等における感染症対策」という演題で講演されました。感染症対策は感染後の対策ももちろん重要ですが、その予防が最も大事とも言えます。手洗いの励行や、身の回りを清潔に保つなどの日々の生活における予防はもちろんのこと、ワクチンで予防可能な疾患も多いので、予防接種の推奨が望まれます。児童生徒に限らず、教職員も含めて環境を整えて維持していくことや、医療機関との連携の強化など、学校における感染症の発生予防とまん延防止を図る対策方法を教授していただきました。
午後からは部会別研究協議が行われました。私が出席しました第2部会では2つの提言がなされました。1つ目は「啓徳小中学校のフッ化物洗口の取組」と題し、天塩町立啓徳小中学校教頭 中村倫生 先生の発表でした。H23年の12月より留萌管内2校目となるフッ化物洗口をスタートし、今日まで問題なく実施しており、歯科健康診断結果にも反映されているとのことでした。小中学校でフッ化物洗口を開始する前から啓徳保育所にてフッ化物洗口が行われており、その生徒が小中学校にあがってきていることも、スムーズに導入できた要因の一つのようです。また、助言者の苫前町立歯科診療所院長 伊藤修 先生からの助言もあり、安全な実施、薬品の管理は教頭と養護教諭を中心に行い、担任とも連携を密にして行っていることなど成功への秘訣を協議しました。
2つ目の提言は「遠別農業高校の健康教育」~コミュニケーションスキルの育成を目指して~ と題するものでした。人間関係についての理解やコミュニケーションスキルが乏しい状態では、相手を思いやる心が育たず、豊かな人間関係を築くことができない。適切な意志決定や行動ができる能力の向上に努めるためには何が必要なのか協議がなされました。尚、来年度の開催地は恵庭市になります。(辻村祐一記)
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平成25年度学校医(三師会)代表と養護教諭代表との懇談会
- 2013/12/12 木
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平成25年10月23日(水)札医会館にて開催されました。
〇養護教諭側より以下の質問、意見がありました。
1)ゴム手袋の上から児童の口の中を触り、次の児童も消毒等せずにそのまま触る歯科医の方がいらっしゃるようなのですが、消毒についてどのように考えるべきなのか、また検診を行う上での配慮事項などをお教えいただけないでしょうか?
2)学級閉鎖で検診を受けられなかった子がいた際、別日程を取って検診をしていただくなどの対応をしていただいた学校がありました。温かいご厚意に大変感謝しています。
1)に対して:健康診断の際には、手で口腔内に触れることはできる限り避けてください。やむを得ず触れてしまったときには、次の児童・生徒に移る前に必ず手を洗ってください。応援の歯科医師にも徹底をお願いいたします。できれば手洗い場の近くで検診するか、それが無理ならば、手指消毒用に塩化ベンザルコニウム等の薬液を希釈した消毒液を準備してもらうようにしてください。また、頻繁に手洗いをして消毒液が汚れるようならば、途中で取り替える必要があります。
2)に対して:健康診断当日に欠席した児童・生徒の検診を依頼された場合には、快く応じるのが当然と思われます。検診の人数も少ないことから診療所のお昼休み等を利用するのがよいかもしれません。日程については学校側とよく打合せをしてください。
○養護教諭に対する意見・要望について
先日行った「学校歯科に関するアンケート」を基に下記のような内容を申し伝えました。また、アンケートの結果、「学校の受け入れ態勢」について「協力的」と答えた方が98%に上りましたので、その旨お伝えし感謝を申し上げました。
1)欠席者の連絡を含め、検診票がずれたりしないように配慮して欲しい。また、会場での待機中の態度をしっかり指導して欲しい。
2)常日頃から学校歯科医と連絡を取り合い、コミュニケーションに努めてほしい。
3)検査結果の集計が終了したら、速やかに学校歯科医に報告して欲しい。
※養護教諭との懇談会は年1回開催されております。来年度も開催を予定しておりますので、ご意見等ございましたら事務局までご連絡願います。
(大川晋一記)
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平成24年度第2回学校歯科研修会「学校歯科医生涯研修制度 基礎研修会」報告
- 2012/12/19 水
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平成24年12月1日(土)の午後3時より札幌歯科医師会館5階講堂にて、平成24年度第2回学校歯科研修会「学校歯科医生涯研修制度・基礎研修会」が開催されました。
学校歯科医生涯研修制度は社団法人日本学校歯科医会の事業のひとつで、全ての学校歯科医が歯科医師としての専門性を活かしながら教育者としての資質を備え、積極的に学校歯科保健活動を推進し、生涯にわたってその資質の維持と向上を図り幼児、児童生徒の歯・口腔の健康増進に貢献することを目的に始まったもので、基礎研修会は今年で4回目となります。
前回までは北海道歯科医師会と共催で行われてきましたが、今回は平成20年度モデル事業以来の札幌歯科医師会単独の開催となりました。認定の研修会ということで約3時間にわたる内容でしたが、初の受講修了者には、日本学校歯科医会より基礎研修修了証が交付されました。
司会の齋藤嘉高委員が開会し、藤田一雄会長挨拶の後、講師紹介があり、講演に移りました。講演は日学歯の基礎研修テキストを資料にし、パワーポイント中心で進められました。
講義1は「学校歯科保健概論について」で、本会学校歯科委員会委員長の大川晋一先生が学校教育の目的や理念からはじまり、学校保健活動における歯科保健の位置づけや学校歯科医の役割について話しました。
講義2は「学校歯科保健の保健教育について」本会担当理事の大橋聖先生が学校歯科医にとって、担当校の健康診断の集計・分析はとても重要なことで是非みなさんに励行してほしいとお願いしました。また校長や養護教諭より長くその学校を担当する確率が高い学校歯科医は、歯科保健教育や保健活動でイニシャチブをとるべきだと話しました。
講義3は「学校歯科保健の健康管理について」で、本会学校歯科委員会副委員長の平山泰志先生が学校健診の実際と留意点について詳しく説明しました。また「CO」「GO」のもつ健康教育的意味や、健診の後に発生する事後措置、健康相談の意義やねらいなどについて話しました。
講義4は「学校歯科保健の組織活動について」でした。札幌市教育委員会学校教育部の鈴木景子係長が講演されました。ご本人が以前養護教諭時代、学校歯科医の熱心な協力を得て、実際に学校歯科保健研究事業を行った経験をもとに、学校内教職員やPTAとの協力体制づくり、地域の関係機関・団体・担当医との連携のありかた、学校保健委員会のことなどについて話され、こういった事業への協力依頼があった場合は是非参加していただきたいと結ばれました。
講義5は「児童・生徒の災害給付制度について」で、学校管理下の傷害についての理解を深めるために、独立行政法人日本スポーツ振興センターより小山泰良課長をお招きして講演していただきました。
センターの歴史と概要、現在の給付の種類と範囲、最近の動向(東日本大震災関係も含め)、中でも最も障害給付件数が多い歯科関係については事例発生後の手続きや請求のしかたなど、詳しく説明していただきました。また災害発生率に地域差があることや、トラブルをかかえた事例への対処の話などもあり興味深い内容でした。
質問は学校歯科健診についてその内容の確認を求めるものや、就学時健診についてなどがあり回答された後、大橋理事の閉会で終了しました。
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第61回北海道学校保健研究大会十勝(帯広)大会報告
- 2012/12/19 水
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大会主題
北の大地を生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる子どもの育成を目指して
~澄んだ青空ときれいな水、安全安心な食に恵まれた「フードバレー」の地 とかち帯広で、明日を拓く子どもたちの生きる力を育むために~
平成24年11月4日(日)、気温が10度ほどの肌寒い中、午前9時30分より帯広市民文化ホールにて開会式、表彰式、基調講演が開催されました。
前日の3日は午後より、北海道歯科医師会主催で学校歯科医基礎研修会が行われ、夕方には、今大会にて表彰される歯科医師で大会に出席される先生を招待し、道歯会長や地元歯科医師会の役員の方々も参加され、盛大に前日懇談会が開催されました。表彰される先生方それぞれから、今までの学校保健に関する実績やご意見が聞かれ、大変有意義な会でした。
4日の大会の開会式では、例年通り、北海道教育委員会教育長、日本学校保健会長、北海道学校保健会長の主催者挨拶があり、続いて、北海道知事(代理)、帯広市長の来賓挨拶があり、つつがなく開会式が終了しました。
表彰式は、学校保健功労者表彰で、学校医20名、学校歯科医38名、学校薬剤師15名、教職員11名が表彰されました。
若干の休憩をはさんで、基調講演が行われました。
演題 「メディアリテラシーと子どもの健康」
講師 神戸大学大学院 人間発達環境学研究科
教授 川畑 哲朗 氏
メディアリテラシーとは、コンピューターネットワーク・テレビ・音楽・映画・出版物などさまざまなメディアが伝える価値観・イデオロギーなどをうのみにせず、主体的に解読する力をつけることです。大量の情報があふれる現代社会において、メディアが子どもたちの健康に与える影響は多大であります。一つは、長時間のメディア使用に伴う視力低下など、直接的に心身の健康に影響するもの。もう一つは、メディアから受ける情報により、子どもたちの行動や考え方に変化が現れ、健康にも影響していくというものがあります。
思春期が進むにつれてメディア情報の影響により、飲酒・喫煙・性行動などの危険行動が広がっていくことを考えると、メディア情報が子どもたちの健康に及ぼす影響や危険行動の防止対策について早急に検討することが求められています。講演では、実際に広告に使用されたものを表示して、問題点を聴講者に聞いていくスタイルで進められました。メディアの悪影響について説明され、メディアリテラシーの形成が必要であることを講演されました。
午後からは、会場を「とかちプラザ」に移して、部会別研究協議が行われました。
第1部会 学校経営と組織活動
1・特色ある学校経営を基盤とした組織的・計画的な学校保健活動等の進め方について
2・学校、家庭及び地域の関係機関と連携した学校保健委員会の活性化について
第2部会 保健管理・保健教育
1・適切な健康診断の実施と事後処置、健康相談の進め方、感染症等の予防と対策、学校環境衛生活動の充実など、学校、家庭及び地域の関係機関と連携した保健管理の進め方について
2・各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間との連携を図った保健教育の実施について
第3部会 安全管理・安全教育
1・学校安全計画や危機等発生時対処要領の適切な作成、緊急事態発生時の対応など、学校、家庭及び地域の関係機関が連携した安全管理の進め方について
2・各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間との連携を図った安全教育、防災教育等の実施について
第4部会 発達障がいを含む障がいのある子どもの保健教育・安全教育
最初に、北海道帯広養護学校の櫻田なおみ先生より、「一人一人の健やかな学校生活を育むために~医療機関との連携を図りながら~」という研究発表がありました。その中で医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍するようになり平成22年度から看護師を配置していることや、家庭や医療機関(主治医)との連携を重視した教育活動を行っていることなどを話されました。そのような実践の成果として、児童生徒の健康の保持・増進や生活リズムの確立が図られたこと、自立心の芽生え、学校生活の質の向上等を挙げられました。
次に、帯広市立西陵中学校の千葉考司先生より、「発達障がいの疑いのあるA君の非行への対応」という研究発表がありました。その中で表記のA君への指導の方針やその限界あるいは課題を述べられました。指導の方針または課題として子どもの現実からスタートして大人がワンダウンポジションをとり100%受容すること、発達障がいは先送りにせず対処すること、また外部機関と連携することなどを挙げられました。
それぞれの部会では、提言者2校、助言者2名の構成で、司会者を中心に協議されました。
提言を行う学校ではそれぞれの特色を生かした学校保健活動を行っており、活発な質疑応答が行われていました。
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平成24年度 学校歯科に関するアンケート集計結果報告
- 2012/11/16 金
- 会員のページ > 活動報告
今年度、6月末に学校歯科医対象で実施いたしました、平成24年度学校歯科に関するアンケートの集計結果をPDFにて報告いたします。
※「平成24年度学校歯科アンケート集計報告書」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
第32回北海道学校歯科保健研究大会報告
- 2012/11/13 火
- 会員のページ > 活動報告
平成24年10月12日(金)
北海道歯科医師会館2階大講堂にて午後1時より開催されました。
当日の参加者は160名にものぼり、平日の午後にもかかわらず、会場はほぼ埋まった状態でした。
会長挨拶のあと、北海道教育委員会より祝辞があり、北海道学校歯科保健優良校、北海道歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクールの表彰が行われました。(図画・ポスターに関しては、北海道歯科医師会のホームページをご覧ください)
休憩をはさんで、講演が行われました。
岡山大学病院 小児歯科 講師 岡崎好秀先生に「クイズで語る おもしろ食育最前線」と題して、講演していただきました。
写真と岡崎先生が主役の漫画を中心に、多くのクイズを交えての講演でした。飽きさせることのない岡崎先生のお話に、あっという間の2時間でした。
札幌歯科医師会では、来年度の6月ごろをめどに、岡崎先生の講演を計画しています。全国的にも有名な先生なので予定が合えばということになりますが、実施が決まりました折には、会員の皆様の多数のご出席をお願いいたします。
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平成24年度 フッ化物洗口講習会
- 2012/11/12 月
- 会員のページ > 活動報告
平成24年10月16日(火)19時より、札幌歯科医師会5階大講堂にて開催されました。
今回で、二回目の開催になります。
この講習会は、これからフッ化物洗口を行いたい、あるいは興味がある保育園・幼稚園を対象に、嘱託歯科医にもなるべく参加してもらう講習会で、本年度は23園の参加がありました。
最初に、フッ化物洗口の基礎知識と実施方法について、北海道保健福祉部健康安全局地域保健課医療参事の佐々木健先生に約一時間ほど講演していただきました。
続いて、フッ化物洗口の具体的な実施手順について、札幌歯科医師会学校歯科担当理事の大橋聖先生から、約30分ほど説明がありました。
講習終了後の質疑では、具体的な手順等の突っ込んだ質問が多数出されました。全国的にはどんどん普及しているフッ化物洗口ですが、なぜか札幌だけが立ち後れているようです。
フッ化物洗口の実施園がこれからも増え続けることを願っています。
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「平成17年~平成23年学校歯科医活動報告書」の総括
- 2012/06/20 水
- 会員のページ > 活動報告
平成24年1月初旬に学校歯科医対象で実施いたしました、平成23年学校歯科医活動報告書の総括をPDFにて報告いたします。
※「学校歯科医活動報告書の総括」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
平成23年度 学校歯科に関するアンケート集計結果報告
- 2012/06/20 水
- 会員のページ > 活動報告
昨年、11月末に学校歯科医対象で実施いたしました、平成23年度学校歯科に関するアンケートの集計結果をPDFにて報告いたします。
※「平成23年度学校歯科アンケート集計報告書」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
第63回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会並びに第63回指定都市学校保健協議会報告
- 2012/06/20 水
- 会員のページ > 活動報告
平成24年5月19日(土)、20日(日)の両日、さいたま市において標記協議会が開催され、大橋担当理事、大川委員長が出向いたしました。
第63回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会
5月19日(土)午後2:00より大宮ソニックシティにて開催されました。さいたま、仙台、川崎、名古屋、大阪、神戸、岡山、広島、北九州、福岡、相模原、札幌の12都市の歯科医師会または学校歯科医会の参加がありました。
主題「児童虐待における学校歯科医の役割」
提案理由
最近、わが国で児童虐待が急増しており、児童相談所では現在年間4万件以上もの対応に追われている。被虐待児童の多くは乳幼児・学童期の子供であって、この時期、歯科関係者は1.6歳児・3歳児歯科健康診査や、乳幼児歯科相談あるいは就学時歯科健診や学校歯科健診などの場で日常的に乳幼児・児童に接していることから、虐特に対する理解と専門家としての対応が必要となってきた。そして今後、歯科医師は虐待防止に十分な知識を待って、早期発見に努めることはもとより、地域における虐待防止活動にも積極的に関わり、子育て支援の観点からも関係者に適切かつ専門的なアドバイスを提供することが必要、不可欠である。そのためには、まず、児童虐待、特に「養育の放棄・怠慢」(Neglect)とその生活習慣に起因すると思われる口腔内状態との関連を明らかにし、関係者が口腔所見を共有し得るシステムの構築が必要である。
そこで今回、学校を中心とした地域の連携による児童虐待の発見や防止、具体的な方策、そのなかの学校歯科医のかかわり方などについて協議し、児童虐待における学校歯科医の役割を考える契機としたい。
協議に先立ち、「子どもたちの生活は今 ―Advocatorとしての歯科医の役割―」と題して明海大学歯学部口腔小児科学分野教授 渡部 茂による講演が行われました。
虐待やいじめの原因となり得る、発達障害やうつ病、貧困などの現状を示され、下記の要旨で基調講演とされました。
〈要旨〉
子どもの口の中は生活を表している。ある子の口の中を診ると、その子が今どのような生活をしているのかといったことがおぼろげながら感じられる。年齢と共に変化する口腔を長期間、定期的に観察し、口腔疾患の背景にある様々なことを読み取ることが、子どもを診る歯科医に求められる基本的なスタンスと言えよう。
最近の子どものう蝕数の減少は、彼らの生活情報をより鮮明に我々に提供することとなった。親の口腔衛生に対する理解によってう蝕数が減少したことにより、一部の親の無視、放置によるう蝕があぶりだされるように露呈してきている。今まで全く見えていなかった親によるネグレクトという事実が、子どもの口腔に、う蝕という思いがけない証拠として現れてきたのである。私たち歯科医は、歯科の領域から一歩踏み出し、口腔に現れるサインとしてそれらを読み取り、速やかに行動することが求められている。すなわち子どもたちに行う口腔健診は単に歯科医院受診を促すためのものではなく、子どもの生活環境を探るための調査として行う意識改革が望まれる。
子どもたちは様々な大人たちの支えがあって成長していく。子どもを取り巻く多くの大人たちが連携をとらなければ、子どもたちの世界はけっしてよくならないであろう。歯科はその中にあって子どものAdvocator(代弁者)としての役割を十分に発揮できる領域と思われる。
川崎市と広島市の取り組みについて口頭提言が行われ、それをもとに協議が行われました。口頭提言では、虐待の早期発見・通告ばかりでなく、虐待の予防や、保護された子どもの歯科診療等、事後支援への取り組みが報告されました。
協議では、虐待を疑って学校に通告したにもかかわらず学校側の対応が鈍い場合に、関係機関に直接連絡すべきか、などの意見交換が行われました。最後に中田 郁平 日学歯会長が、「学校歯科医は、まず学校の方を向いて話をし、連携を取るのが第一」という趣旨の講評をされ、終了致しました。
第63回指定都市学校保健協議会
5月20日(日)午前9:30より開催されました。午前中は全体協議会と記念講演、午後からは課題別協議会が行われました。
協議主題 「生き生きと輝く子どもたちを育むための学校保健の推進」
主題設定の理由
近年の社会環境や生活環境の急激な変化は、子どもたちの心身の健康にも大きな影響を与えており、生活習慣の乱れや問題行動など、新たな課題を生み出している。
平成23年に小学校で、さらに本年は中学校において新学習指導要領が完全実施された。この新学習指導要領は、従前の指導要領と同様、子どもたちの「生きる力」の育成をねらいとしたもので、学校現場では学校保健の推進の大きな後ろ盾となるものである。この「生きる力」を育み、我が国の明日を担う人材を育成することは、何よりも保護者を始めとする市民共通の願いであり、すべての大人に課せられた責務である。
そこで、本協議会においては、自ら学び自ら考え、目を輝かせ夢中になって学習する、そんな生き生きと輝く子どもたちの育成を念頭に、医師会・歯科医師会・薬剤師会を始めとする医療関係者や各種団体等と、学校・家庭・地域が連携し、学校保健について研究協議するものとする。
記念講演では、大道芸人でもある数学者、ピーター・フランクル氏が「21世紀に羽ばたくための学習法」と題して講演されました。また昼食時間には、ランチョンセミナーとして自治医科大学付属さいたま医療センター産婦人科教授、今野 良 先生が「子宮頸がん予防」について講演されました。ちなみに当日用意されていたお弁当はこれです。
【課題別協議会】
下記の4分科会に分かれて行われ、合計24題の口頭提言がありました。
第1分科会 健康教育 「健やかに生きる力を育むための、組織的な健康教育」
第2分科会 保健管理 「自己管理能力を高め、健康の保持増進を図るための保健管理」
第3分科会 心の健康 「よりよく生きるための心を育む保健活動の推進」
第4分科会 地域保健 「学校がコーディネイトする地域と一体になった保健活動」
歯科関連抜粋
第4分科会 口頭提言1
「家庭とともに学びを支える歯と口の健康教育」
京都市立小栗栖宮山小学校 養護教諭 金澤 真弓 保健主事 宮下 佳子
児童を取り巻く現状には,厳しいものがある。生活習慣の乱れ・不登校など保護者の協力が得にくいという壁もある中で、教職員が歯と口の健康づくりを中心とした健康教育について共通の認識をもち、様々な取組を進めてきた。その結果、歯科保健に対する児童と家庭の関心・意識の高まりやむし歯の早期治療・歯みがきの定着などの行動変容がみられつつある。平成23年度の保護者アンケートでは、8割以上の家庭で歯みがきが習慣化しているという結果が出た。同じように、給食後の歯みがきも8割の児童が習慣としてできるようになってきている。また、これまでむし歯の治療が困難であった家庭も受診できるようになってきた。
健康教育は、児童の学びを支えるための根幹であり、児童や家庭状況の変化を分析し柔軟に対応していくことが大切である。今後も、学校の様々な取組を児童の生活の場である家庭や地域に発信し、連携をさらに進め児童の「学び」を支える健康教育を進めていきたい。
第4分科会 口頭提言3
「生活習慣(歯と口)つくりからはじめる健康な心と体~学校・家庭・地域とともに~」
神戸市立和田岬小学校 教諭 辻 丈治
平成21年から2年間にわたり、歯と口の健康つくりに取り組んだ。授業を中心とした各取組により、子どもたちの健康に関する意識も変わってきた。自分の体を大切にし、友達の体も同じように大切にしようとする心が育ってきた。また家庭の健康への意識の向上にもつながった。
基礎的な学力を身につけるには、しっかりとした生活習慣の確立が鍵となる。健康教育の推進を、今後も引き続き学校全体で取り組み、家庭や地域と連携を深めていきたい。
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平成23年度第2回歯・口の健康づくり推進指定校連絡協議会報告
- 2012/03/21 水
- 会員のページ > 活動報告
平成24年2月17日(金)午後8時45分より 札幌歯科医師会館2階会議室に於いて開催されました。
1、学校歯科保健優良校表彰受賞について
第50回全日本学校歯科保健優良校表彰
平成23年度北海道学校歯科保健優良校表彰
2、平成23年度「歯と口の健康についてのアンケート」集計結果
塚本先生より、結果報告
アンケート集計(幼稚園)
アンケート集計(小学校低学年)
アンケート集計(小学校高学年)
アンケート集計(中学校)
3、研究成果報告
前段の学校歯科研修会にて、発表していない学校から報告がありました。
札幌市立定山渓小学校 養護教諭 若狭恵理子先生
小学校の概要と2011年度の取り組みと結果について報告がありました。
別途資料:定山渓小学校2011取り組みと結果
札幌市立新琴似北小学校 養護教諭 土井芳美先生
指定を受けてからの中間報告として、今年度の取り組みについての報告がありました。
別途資料:新琴似北小学校今年度の取り組み
札幌市教育委員会学校教育部教育推進課 指導担当係長 鈴木景子氏より総括の発表があり研究成果報告が終了しました。
4、協議事項
平成24年度指定校事業について協議されました。
以上で、指定校連絡協議会が終了しました。
※「アンケート集計結果」「別途資料」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
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平成23年度 第3回学校歯科研修会
- 2012/03/21 水
- 会員のページ > 活動報告
平成24年2月17日(金)札幌歯科医師会館5階大講堂で開催されました。
今回の研修会は、指定校事業の研究発表を行いました。
歯・口の健康づくり推進指定校とは、歯・口の保健指導を通じて、児童・生徒のむし歯を予防し、口の健康を守るための具体的な方法について実践的に研究を行う学校や園を指定するもので、今回は、指定期間3年の最後の年度にあたり、最終年度の年度末には会員へ向けて活動の参考にしてもらうために、実践報告をしていただいています。
盤渓小学校発表報告資料
麻生明星幼稚園発表報告資料
※「発表報告資料」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
従来、札幌歯科医師会指定の学校のみで行っていましたが、今回は北海道歯科医師会指定の清田高校の学校歯科医、樋口先生にも特別に発表していただきました。実践している学校の内容については、健康診断後の事後措置に関して参考になることが多いので、もっと多くの会員の先生に参加して、参考にしていただきたいと思います。。
札幌市立盤渓小学校 (発表者) 小野 千尋 養護教諭
「歯と口の健康」を窓口として、自身のからだや健康に関心を持ち、生涯に渡りより良い生活習慣を実践していく子どもの育成を研究主題に、課題達成のためのステップをあげて報告されました。
麻生明星幼稚園 (発表者) 白井 真 園長
園の概要から、3年間の取り組みについて報告されました。特に親を含めた食育活動が特徴的でした。今後の取り組みや、これからの問題点についても言及されました。
札幌市立定山渓中学校 (発表者) 林 麻子 養護教諭
和・歯・8020ワールドの様子が報告され、積極的に参加している生徒の姿が印象的でした。
北海道札幌清田高等学校 (発表者) 樋口 俊夫 学校歯科医
フォーカスグループインタビューやアンケート結果を踏まえて、「歯・口の健康つくり講演会」の実施について報告されました。継続していくことの難しさを感じました。
活動報告が終わってから、札幌市教育委員会学校教育部教育推進課・指導担当係長の鈴木景子氏より、総括が行われ、研修会が終了しました。
定山渓中学校発表報告資料
清田高等学校発表報告資料
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第60回北海道学校保健研究大会宗谷(稚内)大会報告
- 2011/12/17 土
- 会員のページ > 活動報告
平成23年11月6日(日)、「第60回北海道学校保健研究大会宗谷(稚内)大会」が、
稚内総合文化センターと稚内市役所を会場に開催されました。
主催は北海道教育委員会、(財)日本学校保健会、(財)北海道学校保健会、稚内市教育委員会で、参加者は学校職員、幼稚園の職員、大学関係者、学校医、PTA会員、行政機関の職員など、幅広い分野から出席していました。大会スローガンは「北の大地を心豊かにたくましく生きぬく子どもの育成を求めて」で、宗谷地方の豊かな自然の中でたくましさと優しさを兼ね備えた子どもが育つことを目標に据えた研究大会でした。
9時30分より、開会式・学校保健功労者表彰があり、多数の学校医、学校歯科医、学校薬剤師、教職員が表彰されました。
その後10時30分より12時まで基調講演がありました。今年は京都大学大学院医学研究科社会疫学分野准教授で国連合同エイズ計画共同センター長の医学博士、木原雅子先生による講演でした。演題は当初、『学校における「性に関する教育」の進め方~「性教育」から「生きる教育」、「予防教育」から「希望教育」へ~』、ということでしたが、当日変更があり、『コミュニケーションとれない、我慢ができない子どもたち~子どもたちの心身の健康を守るために、大人ができることは?~WYSH教育の視点から』になりました。木原先生はエイズの研究家ですが、中・高生の性行動に関する豊富なアンケート調査や聞き取り調査の経験をお持ちのかたで、医師、教育者、保護者としての立場から、このむずかしい年代の子どもたちの保健教育を自ら実践されているかたです。多くの関連著書を書かれています。まず今時の高校生の性を含めた問題行動を例にとり、色々な興味深いデーターを示していただきました。そこから浮かび上がってくることは、家族や社会との良好なコミュニケーションがとれず、辛抱が苦手でイライラし、自分の心身を大切にせず、携帯電話などに強く依存して生きている、保健上問題のある子どもが多数いるという現実でした。先生はこのような中・高生の子ども達にWYSH(Well-being of Youth in Social Happiness)教育という手法を実践しており、ビデオも交えて紹介と内容の説明をしてくださいました。これはまず彼らに心穏やかな人間関係を持たせ、次に自分の長所に気付かせ自分に自信を持たせ、さらに現代社会の身近に存在する各種の危険を正しく認識させることにより、自分で考え、自分で気付き、自分のことを大切にできる子どもに育てるという教育法です。先生の豊富な経験と長期にわたる情熱をかけた活動が生かされているユニークな教育に、会場は熱心に聞き入っていました。先生は最後に、勿論、簡単にうまくいく教育ではありませんが、我々大人の本気の取り組みは子どもに必ず伝わるものであり、子どもの未来は大人のやる気にかかっているではないでしょうかと結ばれました。大変有意義な90分間の講演でした。
午後からは部会別研究協議が行われました。
第1部会「学校経営と組織活動」
第2部会「保健管理・保健教育」
第3部会「安全管理・安全教育」
第4部会「発達障がいを含む障がいのある子どもの保健教育・安全教育」
以上の4つの分科会のうち、第2部会「保健管理・保健教育」に参加してきました。
第2分科会では二つの提言がなされ、一つは 助産師とつくる「いのちの誕生」と題し 稚内市立宗谷中学校 養護教諭 本間知恵子先生の発表がありました。ポイントは①受精の映像を通し、自分の存在が奇跡であることを感じる。②胎児の成長を学び、生きる力を感じる。③妊娠した女性の体の変化や大変さを体験を通して理解し、自分は家族に守られ大事にされていたことを感じる。④赤ちゃんを抱いて、いのちの重さや温かさを感じ、自分の過去と未来をつなげ考える機会にする。思春期の時期に「いのち」という学習を通し、自分が誕生し育ってきた過去と将来の自分の姿を考える機会を性教育の中に位置づけたいというものであった。現在多くの学校で行っている性教育は、教諭や養護教諭が中心になって授業を展開しているが、こうした専門職との連携による授業は、より専門的な知識をもとに視覚や聴覚、体験を通して学ぶ機会になる。
二つ目の提言は 「学力づくり」「心づくり」の基礎となる「体づくり」と題し稚内市立声問小学校 養護教諭 佐野和美先生の発表がありました。児童期の「体づくり」の取り組みは、「学力づくり」「心づくり」の基礎となり、生涯を見通した時には健康に関する自己管理の力を育成する時期でもある。これらを学校・家庭・地域とのつながりを大切にした取り組みをしている。①仲間と取り組む:毎朝、朝の会で「おはようしらべ」を行い、「睡眠・朝食・歯磨き・排便・体調・感染予防・欠席児童の確認」の7項目を質問形式で実施し、自分の生活を振り返り、次の行動につなげられるようにしている。②家族と取り組む:年に数回、生活リズムの見直し週間を設け、特に「睡眠・視聴時間<テレビ・ビデオ・ゲーム>」とし、「親子で約束をつくる」「親子で振り返る」ことをお願いしている。また歯の健康を保つ習慣づくりとして、給食後の歯磨きを日課に位置づけ、年に1時間、稚内市の地域事業である「出前講座」を利用し、保健センターの歯科衛生士さんによる「歯の健康」を学ぶ機会を設けている。
年に1、2回でも、専門職が行う授業は生徒にはインパクトが大きく、養護教諭と事前の打ち合わせや事後の反省を十分に行うことが、スムーズな授業展開につながっているようです。
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第61回全国学校歯科医協議会報告
- 2011/12/17 土
- 会員のページ > 活動報告
平成23年10月27日(木)16:30より静岡市のホテルセンチュリー静岡5階センチュリールームにて
第61回全国学校歯科医協議会が開催されました。
来賓挨拶、文部科学大臣表彰受賞者の紹介のあと、「学校歯科医がかかわる食教育の展開~食の自律(立)と五感の育成を支援する~」というテーマで、日本歯科大学生命歯学部衛生学講座准教授 福田雅臣先生、さいたま市立宮原小学校栄養主査 若林美子先生、(社)日本学校歯科医会理事 竹内純子先生の3名のシンポジストによるシンポジウムが行われました。
福田先生は、文部科学省発刊の“「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり”に幼児から中学生までのすべての発達段階での筆頭課題として「噛むこと」があげられていることを示し、食べること、噛むことを育成していくことは学校歯科保健活動を行っていく中核であると述べられました。また、学校歯科保健活動での食教育のルーツを昭和12年出版の「日本食養道」に見ることができ、歯科の目指すところは時代を超えても不変であると話されました。
若林先生は、「歯・口の健康づくりを視点とした、学校での食育の取り組みについて」という内容で学校給食を通して行う食育について話されました。生活科の授業の一環として給食の時間に美味しく味わって食べる噛み方の指導をしたり、野菜の皮むきを体験することによって食べ物を五感で感じ、感じたことを豊かに表現する力をつけさせる教育を行っているなどの学校での取り組みについて話されました。
竹内先生は、「生きることは食べること~噛むから始める食育支援~」という内容で、静岡県歯科医師会が学校給食会などと連携して「歯科からの食育」の情報発信として出前講座を県内各所で行っていることや、学校歯科医の対応として学校安全の面から、給食時の誤飲・誤嚥防止のためにも食べ方の指導と緊急処置法の指導も忘れてはならないと話されました。また、学校歯科医が食育を推進するには栄養教諭、養護教諭あるいは家庭などとの連携が必須であると述べられました。
その後、質疑応答が行われ閉会となりました。
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第61回全国学校保健研究大会報告
- 2011/12/17 土
- 会員のページ > 活動報告
平成23年10月27日(木)、28日(金)の二日間にわたり静岡市の静岡県コンベンションアーツセンター
(グランシップ)にて第61回全国学校保健研究大会が開催されました。
27日は13:00より開会式と文部科学大臣表彰の表彰式が行われました。札幌歯科医師会からは北海道札幌東陵高等学校元学校歯科医の松川清三先生が表彰を受けられました。松川先生、たいへんおめでとうございました。
つづいて14:00から「学校現場における発達障害を持つ子どもたちへの対応」と題して浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任教授 杉山登志郎先生による記念講演が行われました。講演では、自閉症スペクトラム障害や学習障害などの発達障害は多因子遺伝であり幾つもの異常が重なり閾値を超えたときに発症することや、過剰な叱責や虐待などの迫害体験も発症に関与していること、また逆に発達障害があると虐待を受けるリスクが高くなると述べられました。
学校現場での対応として、発達障害の治療は治療的教育であり通常学級がだめなら支援クラスへというのはよくないということ、発達障害を例外的に扱ってはいけないこと、特別支援教育への蔑視をやめて学習障害への対応ができる教師の育成が必要であり、そこが教育サイドの腕の見せ所であると話されました。さらには、安定した自信を持った大人の存在が子どもを救い、教育、福祉、医療が連携して相談できる人材を育てる必要があると話されました。
翌28日には9:30より課題別研究協議会第7課題(歯・口の健康づくり)が「生涯にわたる健康管理の基盤となる歯・口の健康づくりの進め方」と題して同会場にて開催されました。初めに、三重県四日市市立笹川中学校、東京都江東区立南砂小学校、静岡県静岡市立長田西中学校からそれぞれ研究発表がありました。
笹川中学校からは、健康診断の効果的な実施と結果等を活用した保健指導―「観察」から学ぶ体の変化―と題して、「歯科健康診断用アンケート」の活用や、「セルフチェックカード」をレーダーチャート化して用いるなどの継続的な保健指導の実践についての発表がありました。
南砂小学校からは、「歯・口の健康づくり及び健康教育の推進と学校経営」―ヘルシー&ハッピースクール南砂―と題して、「歯・口の健康づくり、健康教育年間指導計画」の作成や関係機関と連携した保健指導、歯のポスター、標語の募集などの実践についての発表がありました。
長田西中学校からは、学校、家庭、地域が連携した学校歯科保健活動を目指して―自分の歯の健康管理を主体的に実践できる生徒の育成を通して―と題して、学校歯科医とのチームティーチングや昼食後の歯磨きタイム、生徒会保健委員会による歯磨き指導などの実践についての発表がありました。
その後、質疑応答を交えながらそれぞれの発表に対する研究協議が行われました。
つづいて、歯・口からみえる子どもたちの生活―「食と咀しゃくに対する実態等の調査」から―と題して日本大学歯学部教授 尾崎哲則先生よる講義が行われました。
講義では、平成20年に全国の政令指定都市の小学校児童、中学校生徒およびその保護者に対して「食と咀しゃくに対する実態調査」のアンケートを行い、回収された約7,500件の回答に検討を加えた結果、食と咀しゃくの問題は様々な事柄と関連を持っていることがみえてきたと述べられました。
今回の実態調査からみえてきたものとして、
1)毎日朝食を食べる割合や就寝時間について、児童では良好なものが多かった。
2)意識してよくかんで食べようとしている児童生徒はかむことが体に良いという意識を持っており、季節の食材を楽しみ、食事への感謝の気持ちを持つ傾向があった。
3)歯ごたえのある食事が出たときによく食べる児童生徒は食べ物の味やにおいを楽しみ、食べていることに満足を得ている傾向があった。
4)食事時の挨拶を身に付くように育った児童生徒は食事への感謝の気持ちを持ち、食事の手伝いをする傾向があった。
と話されました。
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第75回全国学校歯科保健研究大会報告
- 2011/12/17 土
- 会員のページ > 活動報告
10月20日(木)・21日(金)の両日、第75回全国学校歯科保健研究大会が、愛媛県松山市の県民文化会館で開催されました。
メインテーマとして「生きる力」をはぐくむ歯・口の健康づくりの展開を目指してとし、サブテーマとして~自らわかる!自らできる!健康行動への道しるべ~とし研究協議が進められました。
1日目
基調講演 「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり
明海大学学長 安井利一
本年3月に文部科学省より発刊された、学校歯科保健参考資料(表記講演タイトル冊子)の改訂について解説がありました。咀嚼など口腔機能の未発達や口腔疾患の増加、食育の重要性が指摘されており、その指導や対策について学校の先生にも解りやすいように表現内容を改めた。
学校における健康づくりの意義として、病気のほとんどない児童生徒に病気のインパクトは低いが、目で見てわかる口腔内の変化は貴重な学習教材となり、食べること、話すこと等、子供達に興味関心のある話題で自分自身を評価できる方法を教えていくことが大切であると述べられました。
シンポジウム 自らわかる!自らできる!健康行動への道しるべ
1.文部科学省スポーツ・青少年局 森 良一
2.愛媛県教育委員会 福田 和樹
3.滋賀県 学校歯科医 藤井 正博
4.福岡県 養護教諭 田中 さえ子
4名のシンポジストからそれぞれの立場で、取り組み事例の報告がありました。
2.の愛媛県愛南町では、給食を通して食育推進の実践例、4.の養護の先生からは、一人一人が自分の健康課題に気づき、解決方法を考え生活で実践していくよう取り組み、子供たちの自主的発達が大事であると述べられました。
2日目
領域別研究協議会
1.保育園・幼稚園部会
2.小学校部会
3.中学校部会
4.高等学校部会
5.特別支援教育部会
各部会では、それぞれ2名の発表者が学校での実践活動についての発表がありました。
1.では、前札幌市立らいらっく幼稚園養護教諭池田友子先生より「自分の体を大切にし、たくましく生きようとする気持ちをはぐくむ ~幼稚園での歯・口の健康つくりを通して~」と題して発表がありました。3.では鳥取県の中学校養護教諭より給食後の歯みがき習慣を定着させるため、「行動段階と予防教育モデル」を活用し生徒に病気への気づきや、健康を維持するためのモチベーションの話しがあり、結果としてDMF指数の減少と、家庭や学校での日常生活習慣の確立により長期欠席者が減少した報告がありました。
その後、学校歯科保健にかかわる関係者がさらに連携を深め、子供たちの「生きる力」の育成に寄与していくことを大会宣言として閉会しました。
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平成23年度学校医(三師会)代表と養護教諭代表との懇談会
- 2011/12/17 土
- 会員のページ > 活動報告
平成23年10月26日(水)WEST19にて開催され、大川 委員長、平山 副委員長が出向いたしました。
養護教諭代表から出された意見・質問等は下記の通りです。
1)記録者を帯同していただき、大変助かります。校内で対応できる教員が限られているため、今後も帯同していただけるとありがたいです。
※学校歯科健康診断時の記録者の帯同義務は札幌市教育委員会との協議により廃止されました。原則として記録は学校職員が行うことになっています。記録方法についてや、記録者を帯同する場合には人数等について、事前に学校側としっかり打ち合わせしてください。
2)かみ合わせや歯の生え方を細かくチェックしていただき、助かっています。歯みがき指導や保健指導にも来ていただき、感謝しています。
3)12月にも健診を行ってくださり、その際に保護者も同伴して個別指導をしていただいています。
※定期学校歯科健康診断以外にも、保健指導や講話などで学校に出向くことは学校歯科医としてすばらしいことです。また、秋以降に2回目の健康診断を行うことはCO、GOの事後措置としても意味があると思われます。もっと学校に出かけましょう!
4)探針の使用で詰め物がとれた子どもがいましたが、使用について約束事はあるのでしょうか。
※健診は主に視診により行いますが、必要に応じて探針を使用します。探針は、むし歯など歯面を審査するとき、歯面に歯垢が堆積し観察が十分に出来ないとき、またはう窩の窩底および窩壁の軟化歯質の硬さやシーラントの填塞状態を確認するときに用います。使用する探針はとくに先端が鋭利なものでなくても良く、歯軸方向に強い圧を加えず、歯面に沿って水平方向に移動するように使用します。
5)複数で健診していただく場合、健診結果に差が出ることがあります。
※整わない環境の中で診断基準を均一化することはなかなか難しいことではありますが、事前に応援の歯科医師と診断基準についてよく打ち合わせを行い、できるだけ健診医によるばらつきが出ないように努力しましょう。
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平成23年度 認可保育園(所)私立幼稚園フッ化物洗口講習会
- 2011/11/21 月
- 会員のページ > 活動報告
認可保育園(所)私立幼稚園フッ化物洗口講習会が平成23年10月25日(火)19:00より札幌歯科医師会館5階大講堂で開催されました。
事前アンケートに対して参加意向の回答のあった園の関係者30名(17園)、嘱託歯科医13名、他11名の計54名の受講がありました。
講習は、1)フッ化物洗口の基本知識について フッ化物洗口の実施方法について、2)フッ化物洗口の具体的な実施手順について、という内容で行われました。
1)フッ化物洗口の基本知識について フッ化物洗口の実施方法について
北海道保健福祉部健康安全局医療参事の佐々木健氏によりフッ化物とはどういうものであるか、フッ化物洗口を始めるにあたっての流れや父兄に対する説明などの話がありました。
2)フッ化物洗口の具体的な実施手順について
札幌歯科医師会学校歯科担当理事の大橋聖先生により調剤指示書の書き方、フッ化物洗口溶液の取り扱い方法などについて説明いたしました。また、その後、佐々木参事より実際の洗口の方法について実習を交えて説明していただきました。
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第31回北海道学校歯科保健研究大会報告
- 2011/10/20 木
- 会員のページ > 活動報告
平成23年10月14日(金)午後1時より、北海道歯科医師会館2F大講堂において第31回北海道学校歯科保健研究大会が開催されました。
主催:北海道歯科医師会・北海道学校保健会
後援:北海道教育委員会・北海道小学校長会・北海道中学校長会
北海道養護教員会・北海道PTA連合会・日本学校歯科医会
北海道歯科医師会会長による開会挨拶の後、北海道知事、北海道教育委員会教育長、北海道学校保健会会長などの来賓の方々が挨拶と祝辞を述べられました。
次に平成23年度北海道学校保健優良校の表彰がありました。
○小学校の部:
最優秀賞は旭川歯科医師会推薦の旭川市立神居東小学校、特別賞に札幌歯科医師会推薦の札幌市立定山渓小学校、優秀賞に釧路歯科医師会推薦の根室市立厚床小学校、HBC賞に室蘭歯科医師会推薦の登別市立登別小学校が選ばれ表彰されました。
○中学校の部:
最優秀賞は空知歯科医師会推薦の滝川市立明苑中学校、優秀賞に札幌歯科医師会推薦の札幌市立定山渓中学校が選ばれ表彰されました。
又、平成23年度北海道・口の健康に関する図画・ポスターコンクールの各賞(小学校低学年の部と高学年の部)の表彰がありました。なお受賞作品については平成23年11月7日~9日の3日間、北海道庁の1階ロビーにて展示が行われる予定です。
その後、休憩をはさんで午後2時から、講演が2題ありました。(各々約1時間)各学校の養護教諭の先生方や学校歯科医の先生方で会場は満席となりました。
◆講演Ⅰ:顎関節症 ―診断・治療の要点―
北海道大学病院高次口腔医療センター 准教授 山口泰彦 先生
◆講演Ⅱ:矯正歯科診断と治療の実際
北海道医療大学歯学部 教授 溝口到 先生
以上の日程を終了して盛会裏のなか、午後4時に閉会となりました。
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平成23年度 第1回学校歯科研修会
- 2011/09/05 月
- 会員のページ > 活動報告
平成23年9月3日(土)午後3時より、札幌歯科医師会館において第一回学校歯科研修会が開催されました。
演題1・「小児の生活習慣と健康」
札幌市立大学看護学部 教授 松浦和代先生
子どもの生活習慣をテーマとした健康教育の取り組み例を紹介されました。
健康習慣は、親のしつけや学校での保健指導などによって形作られ、思春期までに基本的に身についていく。また、年齢とともに安定度が高くなる分、成人以降の修正や改善は難しくなる。
健康教育の鍵となるライフスキルの骨子を紹介されました。
5つのライフスキルとは、自己肯定スキル・意思決定スキル・コミュニケーションスキル・目標設定スキル・ストレスマネジメントスキル
演題2・「中高年の食事と栄養」~食事バランスガイドによるお酒との上手な付き合い方~
北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 講師 木藤宏子先生
あまり食べずにお酒ばかり飲むと、低栄養になり、そのことが更に肝臓に追い打ちをかけることになります。エネルギーになっても、バランスよく栄養素がとれる食事の代わりにならないので気をつけましょう。
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第62回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会並びに第62回指定都市学校保健協議会報告
- 2011/08/29 月
- 会員のページ > 活動報告
平成23年5月21日(土)22日(日)の両日、京都市において標記協議会が開催され、藤田会長、大橋担当理事、大川委員長が出向いたしました。
第62回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会
5月21日(土)午後2:15よりリーガロイヤルホテル京都にて開催されました。さいたま、神戸、名古屋、福岡、仙台、川崎、北九州、広島、大阪、岡山、相模原、京都、札幌の13都市の歯科医師会または学校歯科医会の参加がありました。東日本大震災の被災地仙台歯科医師会からは、各地からの支援に対する感謝の言葉と現状の報告がありました。
主題:「地域連携における学校歯科医のあり方」
学校歯科医は、学校歯科保健において子どもたちの歯と口の生涯にわたる健康づくりとその保持増進を図り、学校教育が円滑で効果的に行われることに資するよう、様々な活動に参画することが求められている。その活動内容は時代の変遷とともに変化してきており、学校歯科医に求められるものはより大きなものになってきた。平成21年4月施行の学校保健安全法においても、学校歯科医の役割としてより積極的に保健指導に従事するよう明記され、保健教育へのかかわりが求められている。また一方では、「食育」、「児童虐待」、「薬物や喫煙」、「フッ化物応用」等々の学校歯科保健において新たに取り組むべき課題も生じてきている。
このような現状の中、学校を核に、それぞれの地域においてその地域の状況にあわせた保健活動を展開することで、その成果を児童、生徒に還元することは意義のある事と考える。そこで今回、学校を中心とした地域の連携による学校歯科保健活動のあり方や、具体的な方策、そのなかの学校歯科医のかかわり方などについて協議し、今後の学校歯科医と学校歯科保健のあり方を考える契機としたい。
〈口頭提言1〉大阪市学校歯科医会
大阪市学校歯科医会では、健康診断結果を分析し、そこから見つかった問題点を、学校保健関係者と連携をとって解決するような保健指導を行なうことが大切と考えて、健康診断結果の分析実習を伴った研修会を開催し、会員の資質の向上に努めている。
また、子どもたちが生涯にわたる健康観を培うために、幼稚園から中学校まで5つの保健指導をその段階に応じて一貫した内容で行なっているが、学校歯科医はそれらの保健指導に必ず参加して、派遣された衛生士と共に学校歯科保健指導に従事するようにしている。
日本学校歯科医会が行なっている「生きる力を育む歯と口の健康づくり推進事業」に参加し、行政や区の学校保健協議会と連携をとりながら地域学校歯科保健を推進することが地域連携を模索する一法と考えている。
〈口頭提言2〉福岡市学校歯科医会
「学校歯科医とかかりつけ歯科医の連携を考える」
福岡市の関係団体と福岡市歯科医師会でつくる福岡市衛生協議会では時事のテーマについて協議の場をもっているが、総論的な話にとどまり不十分である。別に各学校歯科医は、学校保健委員会を通じて校長、養護教論、栄養士、PTA役員、保護者、学校医、学校薬剤師等と協議を行い、新たな課題について地域連携を図って問題の解決にあたっている。
日常的には、かかりつけ歯科医が児童・生徒やその家族に対して口腔の治療やメインテナンスを行って地域医療を担っている現状がある。このことから学校歯科健康診断後の相談や事後措置については、かかりつけ歯科医や専門医との連携が必須である。従来から行われている健康診断後の通知だけでは、児童・生徒、家族やかかりつけ歯科医との連携が困難と思われる。そこで校区ごとに、学校歯科医とかかりつけ歯科医が連携を深め、学校保健教育の目的を成就させるため、新たな機構を考えることが必要になってくると思える。例えば「校区歯科保健協議会」などの名称で、校長、養護教諭、PTA、かかりつけ歯科医などの参加を得て、学校歯科保健の地域との連携を深める必要があると考える。
札幌歯科医師会からの紙上提言
札幌市学校保健会は、幼稚園長会、小・中・高校の校長会、教頭会、養護教員会、学校給食栄養士会、保健主事連絡協議会、学校医協議会、歯科医師会、学校薬剤師会、PTA協議会等の代表により学校保健の普及振興、研修、調査を行い、児童生徒の健康の保持増進に努めている。このような組織による連携をもとに、各学校において保護者や児童生徒への指導・助言を行うことは、子供たちの生活改善にとって重要である。
ヘルスプロモーションの理念に基づく児童生徒への学校保健教育の中に歯科保健を充実させるべきことは論を俟たない。しかし、生活習慣病、児童虐待、薬物の問題など子どもたちを取り巻く悪化した生活環境の改善には、問題点を明確にするとともに専門家の助言をもとに保護者への積極的なアプローチが必要になる。その拠点として学校保健委員会の拡充を進めることは子どもたちの生活改善のみならず、口腔内改善にも繋がるであろう。その為に、学校歯科医は学校保健委員会の設置及び活用に積極的に取り組むべきである。
5月22日(日)午前9:30より京都会館、京都市勧業館(みやこめっせ)で開催されました。午前中は全体協議会と記念講演、午後からは課題別協議会が行われました。
主題:未来を担う子どもの心身の健康とたくましく生きる力を育む学校保健
~家庭や地域と連携し,学校全体で推進する学校保健活動~
多様化・深刻化する子どもの現代的な健康課題を解決する取組を推進するためには、学校内の充実した組織体制の確立が基本となる。校長、保健主事、担任教諭、養護教諭などの関係教職員が共通認識を持ち、それぞれ専門的知見を生かして学校保健・学校安全の取組を推進することが必要である。また、同時に地域や家庭との連携をより強化していくことが求められる。平成21年4月1日に施行された「学校保健安全法施行規則」では学校医、学校歯科医に加え学校薬剤師についても健康相談と保健指導に従事することが新たに定められた。学校保健委員会等の活性化をはじめ、今まで以上にそれぞれの専門職が連携して学校保健を大きく推進することが期待される。
【記念講演】
演題:「京の食文化―私のこだわり」
講師:京都・南禅寺畔 瓢亭
十四代当主 高橋 英一 氏
講師の高橋 氏は食育にも取り組んでおられます。今回は京料理の特徴、歴史、食材、食器などについてお話しされ、興味深く聴講させていただきました。
【課題別協議会】
下記の4分科会に分かれて行われ、合計20題の口頭提言がありました。
第1分科会(健康教育)
「生涯にわたって健康の保持増進に取り組む子を育てる健康教育」
第2分科会(保健管理)
「子どもの健康の保持増進につながる保健管理のおり方」
第3分科会(心の健康)
「心の健康つくりをめざす組織体制と支援のおり方」
第4分科会(地域保健)
「学校・家庭・地域の連携で進める学校保健活動」
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平成22年度 学校歯科に関するアンケート集計結果報告
- 2011/08/29 月
- 会員のページ > 活動報告
昨年、11月末に学校歯科医対象で実施いたしました、平成22年度学校歯科に関するアンケートの集計結果をPDFにて報告いたします。
※「アンケート集計結果」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
「平成16年~平成22年学校歯科医活動報告書」の総括
- 2011/08/29 月
- 会員のページ > 活動報告
平成23年1月初旬に学校歯科医対象で実施いたしました、平成22年学校歯科医活動報告書の総括をPDFにて報告いたします。
※「学校歯科医活動報告書の総括」を見るには「アドビリーダー」が必要です。パソコンに「アドビリーダー」がない方は下記アドビのサイトから無料ダウンロードすることができます。
第61回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会並びに第61回指定都市学校保健協議会報告
- 2010/06/08 火
- 会員のページ > 活動報告
大阪市のリーガロイヤルホテル大阪において平成22年5月15日(土)午後2時より標記協議会が開催され、藤田会長、紅林副会長、大橋理事が出席しました。午前中は開会式、全体協議会、記念講演が行われ、午後からは4つの分科会に分かれ、課題別協議会が行われました。大阪市教育長、日学歯会長の挨拶後、主題「子どもたちのために学校歯科医は何をすべきか-学校保健安全法の改正に伴って-」との主題のもと協議が行われました。これは50年振りに昭和33年に施行された学校保健法が学校保健安全法に改正され、学校歯科保健に対する学校歯科医の予防処置や指導、助言が法律によって定められたことによります。
平成21年4月から施行された主な点は、
2)保健指導に関しては従来の「保健指導を行うこと」から強い意味合いの「保健指導に従事すること」
と変更された。
3)健康診断後の必要な指導や助言は、遅滞なく指導の時期が明確になり保護者にも必要に応じて
行なうことが明記された。
4)当該学校の所在する地域の医療機関、その他の関係医療機関との連携を図ることが明示された。
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このように学校歯科保健に対する学校歯科医の予防処置や指導、助言が法律によって定められたのが大きな改正点に挙げられています。
続けて主題に基づき3都市の口頭提言が行われました。名古屋市学校歯科医会の提言は教育委員会の委託事業の1つとして展開している、12歳でむし歯1本以下の運動「121運動」についての内容でした。
京都府歯科医師会は、京都市の事業となっている平成17年からの市内全小学校におけるフッ化物洗口について提言を行い、広島市歯科医師会は教育活動としての学校歯科保健の取り組みについて提言を行いました。
その後誌上提言を行った神戸、さいたま、福岡、札幌、仙台、川崎、北九州、静岡、大阪各都市に加え、オブザーバー参加の岡山、堺から提言の説明が行われ、活発な意見交換が行われました。
翌日5月16日(日)大阪国際会議場において午前9時より第61回指定都市学校保健協議会が開催され、昨日同様、藤田会長、紅林副会長、大橋理事の3名が出席しました。
開会式後の全体協議会の場において、次回の第62回大会が京都市で開催されることが承認され、開催日は平成23年5月22日(日)となりました。
全体協議会後に元陸上選手の朝原宣治氏による「諦めなければ夢は叶う-陸上競技人生20年の軌跡-」と題した記念講演が行われました。朝原氏は大学生時代に100mの日本記録を樹立し、大阪ガスに入社後ドイツへ陸上留学しております。オリンピックには4回連続出場し、100mの日本記録を3度も更新するなどすばらしい成績を収めております。現在は次世代のアスリートの育成の為の陸上競技クラブを設立し、子供たちへ自分の得たキャリアを伝えながら子供たちの健全な育成に尽力されています。
昼食時には兵庫医科大学教授 服部益冶によるランチョンセミナーが行われ、食事を取りながら「小児の脱水症と経口補水療法について~学校での熱中症、嘔吐下痢症の対策~」と題した講演を聴講しました。
午後1時からは4つの分化会に分かれ、15分の休憩をはさみ午後4時30まで課題別協議会が行われ、20もの充実した内容の口頭提言がなされました。
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「平成16年~平成21年学校歯科医活動報告書」の総括
- 2010/06/08 火
- 会員のページ > 活動報告
平成21年度 学校歯科に関するアンケート集計結果報告
- 2010/05/11 火
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日学歯「学校歯科医生涯研修制度」基礎研修会
- 2009/12/11 金
- 会員のページ > 活動報告
平成21年11月29日(日)北海道歯科医師会館2階大講堂において、午前10時より学校歯科医生涯研修制度基礎研修会が開催され、北海道歯科医師会、札幌歯科医師会の共催で、日本学校歯科医会の副会長である黒住正三先生と拓植神平先生を講師にお招きして行われました。
全道からの受講者110名中、札歯会員は84名が受講しました。
講演は、4つの演題で
「学校歯科保健概論について」
「学校歯科保健の保健管理について」
「学校歯科保健の保健教育について」
「学校歯科保健の組織活動について」
昼食をはさみ、午後からは生涯研修制度に関してのディスカッションが行われ大変有意義な研修会となりました。
標記研修会は来年度以降も実施する予定ですので、未研修の先生方は是非ご参加ください。
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第59回全国学校保健研究大会
- 2009/12/11 金
- 会員のページ > 活動報告
平成21年11月10日(火)・11日(水)に第59回全国学校保健研究大会が広島市広島国際会議場で開催されました。11日午前9時30分より課題別協議会が始まり、第7課題・生涯にわたる健康管理の基礎となる歯・口の健康つくりの進め方に出席しました。内容は研究発表が3題、講義が1題でした。
趣旨
生涯にわたる健康づくりを実践するためには、自分の歯や口の健康に関心をもち、自分の課題を把握し、解決していくことができる資質や能力を育てることが大切である。
そのため、歯・口の健康つくりをめざした学校歯科保健活動の進め方について協議する。
研究発表
1)健康診断の効果的な実施と結果等を活用した健康教育の充実
-児童生徒一人一人のニーズに応じた歯・口の健康つくり-
山口県立周南総合支援学校 養護教諭 阿部幸枝 氏
特別支援学校における、健康診断の効果的な実施に向けた取り組みや事後の活動、また教諭や養護教諭による歯みがき指導や学校歯科医等による講習会、さらには、学校保健委員会での取り組み等、学校、家庭、関係機関と連携し、一人一人の疾病や障害の状況に応じた歯・口の健康つくりについて発表した。
2)生涯を通じた健康つくりに取り組む児童の育成
-歯・口の健康つくりを糸口として-
広島県福山市立熊野小学校 教諭 清水弓記子 氏、養護教諭 萩原桂子 氏
生涯を通じて健康な生活を送る基礎を培うとともに、自律的な児童を育てるために、各学年の健康教育学習テーマのもと、総合的な学習の時間を中心に教科、道徳、特別活動と関連させた実践や参加体験型の学習、さらには様々な歯科保健活動の取り組み等の成果と課題について発表した。
3)学校、家庭及び地域社会が連携した学校歯科保健活動の進め方について
-地域で取り組んだヘルス・プログレス-
東京都中野区立緑野中学校 学校歯科医 田中英一 氏
学校歯科医の立場から、これまでの「管理と疾病の診断」だけでなく「教育と健康」を意識した歯科保健活動への問題意識を端緒に、地域の歯科医師会や学校歯科医が、歯・口の健康つくり推進委員会を中心に、養護教諭部会との活動、地区懇談会でのシンポジウム、参加体験型の歯科保健学習等、中学校での学校歯科保健活動の実践を発表した。
講義
生涯にわたる健康管理の基礎となる歯・口の健康つくりの進め方
-自らの健康を見る目をはぐくむために-
明海大学 学長 安井利一 氏
生涯を通じた健康管理は、学童期から成人にかけて、保護者から自分自身による管理へと移行していく。健康に対する意識は成人になって自然と形成されるものではなく、小児期からの生活習慣や生活環境に左右されることが大きい。学童期の健康教育は重要であるが、病気の実体が直接的に見えないため生活習慣病を理解してもらうことは、子ども達にとって難しい。
自分の健康を見る目を養う点で、歯・口の健康課題は鏡を見ることによって状態や変化を直接的に観察できる貴重な学習素材となる。学校における歯・口の健康つくりの進め方を保育園・幼稚園、小学校、中学校、に分け発達段階に応じた指導と、動機づけについて講演がありました。
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第59回全国学校歯科医協議会
- 2009/12/11 金
- 会員のページ > 活動報告
平成21年11月10日(火)、広島市のホテルグランヴィア広島において第59回全国学校歯科医協議会が開催されました。
来賓挨拶、文部科学大臣表彰受賞者の紹介のあと、「学校歯科保健の現状と将来」と題して日本学校歯科医会会長の中田郁平先生による講演がありました。講演では、学校保健安全法、学校給食法の主な改正点と学校歯科保険の課題について述べられました。主な改正点である、1)児童生徒の個々の発達に応じた健康把握、2)学校安全の対応と教育、3)食育に関する健康教育について話されました。また、今後の学校歯科保健については、1)公益性のある健康教育活動の展開、2)基礎研修等の学校歯科医生涯研修制度のシステム整備、3)かかりつけ歯科医との連携強化に視点を置き発展充実を図っていきたいと話されました。
つづいて、「安全教育にかかわる学校歯科保健の可能性」というテーマで、浜松大学健康プロデュース学部教授の戸田芳雄先生、岐阜県山県市立伊自良北小学校教頭の原永子先生、広島県歯科医師会理事の三宅茂樹先生の3名のシンポジストによるシンポジウムが行なわれました。
戸田先生は教育学の視点から「歯、口の安全への意識の向上と支援戦略が課題」という内容で講演されました。その中で、1)教育を通しての歯・口の健康の自己管理能力の育成が基礎となることを常に忘れないようにすることが必要である。2)学校歯科保健を健康志向という側面から再構築するとき、安全は不可欠である。すなわちCo、Goの管理を教育の場で行なうにあたり、健康を支えるものとして(犯罪、災害、交通事故からの)安全はなくてはならないものである(セーフティプロモーション)。3)「生きる力」を育むために、子供の健康、安全、食育を推進する取り組み、教職員の体制作り、家庭、地域社会との連携が必要であると話されました。
原先生は学校現場の視点から「学校現場からの提案」という内容で、岐阜県の小中学校の養護教諭に行なった歯・口の外傷に関するアンケート調査の結果をもとに講演されました。学校での歯・口の外傷は93.9%の養護教諭が経験していて学校でも安全に関して様々な配慮や工夫をしているが、歯・口の外傷の減少には学校歯科医との更なる連携のもと歯・口の安全教育の継続が必要であると話されました。
また三宅先生は学校歯科医の視点から「広島県歯科医師会における学校安全に関する取り組みと課題」という内容で講演されました。学校保健安全法をもとに学校歯科医は何ができるのか学校と話し合い共通認識を持ち、またかかりつけ歯科医も情報を共有する必要があると述べられました。また、「歯と口の外傷に対する応急処置と予防」という冊子を県下の全ての学校、及び歯科医師会会員に配布するなどの広島県歯科医師会の取り組みについてもお話されました。
その後3名の先生による協議が行なわれ、学校と学校歯科医が今後さらに連携を深め、情報を共有することが必要であるとの提言をされ閉会となりました。
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第73回全国学校歯科保健研究大会
- 2009/11/16 月
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平成21年10月29日(木)30日(金)両日、京都にて第73回全国学校歯科保健研究大会が開催されました。
北海道では初雪の便りが聞こえそうでしたが、京都では連日、25度という初夏を思わせる暖かさで、思いがけず汗だくで参加してきました。 大会のメインテーマは「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して」~「はぐくむ」を考える・・子どもたちへの支援的教育活動の確立に向かって~です。一日目は開会式・表彰式・記念講演・シンポジウム・懇親会の順に行われました。 記念講演は、「はぐくむ」を考える-心理学からのアプローチとして、京都大学大学院教育学研究科教授 副研究科長・子安増生氏を講師として行われました。心理学の見地から、1997年「酒鬼薔薇聖斗」事件(少年A事件)、この事件を題材にして、心の理解の発達のあり方について解説されました。子どもたちの成長過程において、「心の理解」の欠如は、いわば常時「空気が読めない」状態であり、日常生活の上で大きな支障になり、一方、「心の理論」を獲得すれば、みんなが聖人君子になれるわけではなく、「うそ」や「秘密」といった子どもの発達過程で現れる問題になりえ、いつどのように子どもを自立・独立させるか?段階的な対応が必要であると説明されました。 続いて行われた、シンポジウムは、今大会のテーマを掲げ、 座長は、東京医科歯科大学名誉教授 黒田敬之先生、 シンポジストとして、以下の内容についてそれぞれ20分程度講演され、座長を中心に活発なシンポジウムが行われました。
・「生きる力」をはぐくむ歯・口の健康つくりをめざして
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 教科調査官 森 良一
(1)改正教育基本法を踏まえた学習指導要領の改訂について
(2)全日本学校歯科保健優良校表彰
(3)歯・口の健康つくりの総合的展開について
・市民の歯・口の健康と食育について
京都市長 門川 大作
(1)「歯ッピー・スマイル京都」の策定
(2)「本市の食育」の推進について
・食育の立場から「歯・口の健康つくり」を考える
京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授 大谷 貴美子
(1)児期から始まる食の準備
(2)0~3歳は口に集中する経験の集合体である
(3)口ほど繊細で働き者の器官はない
(4)口の機能の発達と食事
(5)咀嚼の意義
(6)咀嚼と脳の発達
(7)咀嚼力と運動
(8)咀嚼力と寿命
(9)咀嚼力を育むために
・「生きる力」と健康支援から「はぐくむ」を考える
昭和大学歯学部口腔衛生学 教授 向井 美恵
(1)社会的背景
(2)学校歯科保健における取り組み
(3)学校歯科保健と食育
(4)学校歯科保健で目指すもの
(5)歯科医学的視点から
二日目には、実践発表と領域別協議が行われました。 実践発表では、京都市立小栗栖宮山小学校から、教諭・養護教諭・学校歯科医それぞれから発表がありました。 領域別協議でも、小学校部会に参加してきましたが、各地での保健活動の実際を教えられ、全国に熱心な先生が多く大変参考になる大会でした。
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第58回北海道学校保健研究大会胆振(登別)大会
- 2009/11/16 月
- 会員のページ > 活動報告
秋も盛りの10月18日、美しい紅葉に包まれた登別市で、第58回北海道学校保健研究大会が開催されました。大会のスローガンは「北の大地を心豊かにたくましく生きぬく子どもの育成を求めて」でした。会場となった登別市民会館はかなり大きな建物で、その大講堂において午前9時40分から開会式、学校保健功労者表彰式、基調講演、昼食をはさんで午後からは会場を別け部会別研究協議というプログラムで進行しました。 基調講演は大分大学教育福祉学部教授住田実先生の「健康教材と〈からだと健康の小宇宙〉を旅して」というものでした。健康教育学がご専門の住田先生は著書や連載論文は勿論のこと、NHKビデオ・DVD教材などを多数企画・監修されており、子どもたちが興味を持って楽しく体と健康の意義を学べるようにと日々研究されている方です。実際の講演は我々が聞いても、話にどんどん引き込まれていく感じでとても興味深い内容でした。卑弥呼の食生活から咀嚼と健康を考える話や、ジャワ原人の咀嚼筋が現代人の2倍もあり、もし今のオリンピックに出たなら金メダルラッシュになるかも…。という話など、歯や顎といった歯科に関連するエピソードも多数盛り込まれており、1時間30分の講演でしたが、あっという間に時間が過ぎたように感じました。 午後からは事前に登録した部会に分かれての研究協議でした。第4部会までありましたが、学校歯科医の先生方はほとんどが第2部会に出席していました。分類は「保健管理・保健教育」でしたが、提言者が登別小学校、学校歯科医の堅田裕先生と養護教諭の細谷あゆみ先生で、内容も「むし歯予防におけるフッ化物洗口の効果と安全性について」というもので、学校歯科医として是非聞いておきたい話でした。みなさんご存知のように、今年6月に道議会で可決、施行された「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」に小学校におけるフッ化物洗口の実施が盛り込まれました。登別小学校は昭和53年にむし歯予防研究指定校に指定されたのを機に、30年間にわたりフッ化物洗口と給食後のブラッシング活動を実施し、DMFTを1点台前半まで低下させてきた歴史があります。堅田先生は、むし歯予防におけるフッ化物洗口の効果と安全性について提言され、これからの歯科医療はオーラルヘルスプロモーションを目指すべきだとしたうえで、フッ化物洗口は学校など集団でのむし歯予防に効果を発揮する有効かつ安全な手段の一つであると話されました。また、細谷先生からは各学年別の口腔保健管理・保健教育の実際の内容についてのお話がありました。どちらのお話も、長年の学校保健関係各位の苦労と努力、生徒や保護者の理解と協力により形作られてきたものと感じました。質疑応答や追加発言なども活発で、130名以上の第2部会出席者全員、有意義な時間を過ごすことができたと思います。皆、来年の開催予定地である釧路での再開を楽しみに閉会となりました。
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平成20年度 第2回学校歯科医会研修会
- 2009/05/15 金
- 会員のページ > 活動報告
標記研修会が平成21年2月13日(金)午後7時より、札幌歯科医師会館5階大講堂で開催されました。
演題「もっと 学校へ出かけよう!!」
今回は、歯・口の健康つくり推進指定校実践活動報告を行いました。
●札幌市立らいらっく幼稚園
(発表者)池田 友子 養護教諭
園歯科医 星加 修一
●札幌市立盤渓小学校
(発表者)武田 淳子 養護教諭
学校歯科医 中井 一仁
●札幌市立定山渓小学校
(発表者)北浜 裕美 養護教諭
学校歯科医 平山 泰志
●札幌市立定山渓中学校
(発表者)中川原 瑞紀 養護教諭
学校歯科医 平山 泰志
発表者が実践報告の後、担当歯科医に学校の実情を直接発言していただきました。養護教諭の先生たちの苦労の様子がうかがえ、また参考になることが多々ある研修会でした。
各校の研究報告の資料が札歯事務局にありますので、お問い合わせください。
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学校歯科医生涯研修制度札幌地区基礎研修会(平成20年度モデル事業)
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
標記研修会が9月20日.午後3時から6時まで、札幌歯科医師会館5階講堂で開催されました。
日学歯では、「学校歯科医生涯研修事業」の立ち上げに先立ち、平成20年度は札幌市を含め全国7地区において基礎研修モデル事業を行うことになりました。今回の札幌での開催が、全国ではじめてということもあり、当日の内容は、とても新鮮なものがありました。
募集人数が、50名であったが、参加人数73 名と札学歯の先生方の意欲と熱意にとても感動しました。
研修会の趣旨は「学校歯科医は、歯科医師としての専門性を活かしながら教育者としての資質を備え、積極的に歯科保健活動を推進し、児童・生徒の健康増進に貢献しなければならない。生涯にわたってその資質の維持と向上に努め、時代とともに変遷する様々な健康課題にも十分対応できる知識と能力を備えることが、学校歯科医の社会的信頼の向上にも繋がる。本研修会は、学校歯科医がその職務を行ううえで、理解していなければならない基本的な事項を習得することを目的とする。」となっています。
当日は、日本学校歯科医会より、松島悌二会長をはじめ6名の方が、オブザーバーとして視察に来られました。
研修会は稲垣副会長の司会により進められました。
挨拶
藤田会長
日学歯 松島会長
説明
日学歯丸山専務
学校歯科医生涯研修制度の成り立ちと認定学校歯科医制度について
研修内容
1、学校歯科保健の基礎概念の講義 紅林副会長
2、学校歯科保健における保健教育の講義 大川常任理事
3、学校歯科保健における保健管理の講義 北山理事
4、学校歯科保健における組織活動の講義 箱木理事
2時間半という長い講義内容でしたが、皆さん、最後までしっかりと聞いてくれました。
最後に受講者には「基礎研修修了証」が渡されました。
参加者からのアンケート
・認定学校歯科医に対する日本学校歯科医会の考え方や方向性が良く理解できた。
・今後、研修などを受講しやすいようにしていただいて、単位を無理なく取得できるようにしていただきたい。
・認定学校歯科医は必要であると思う。
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平成20年度 第1回学校歯科医会研修会
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
平成20年7月26日午後4時より、 TKP札幌ビジネスセンター会議室にて、講師として名古屋市学校歯科医会江場弘和会長、松浦和典副会長をお招きして研修会が行われました。歯科医師38名、衛生士・学校関係者11 名の出席がありました。
講演
「名古屋市学校歯科医会が目指す学校歯科保健について」
名古屋市学校歯科医会江場弘和会長
①名古屋市学校歯科保健の歴史
②学校歯科保健とは
・歯科保健教育……児童生徒に対しては当たり前で保護者・学校関係者にも必要であり、保健所・教育委員会・政治家・歯科医師会にも広げることが必要
・歯科保健管理……健康診断の精度が問題
・歯科保健組織活動……周りを取り込みながら歯科保健教育を広げること
③平成17年より名古屋市学校歯科医会が始めたこと
・歯科健康診断結果のお知らせの変更(CO・GO)
・歯科健康診断の問題点(精度・対策)提起
・フッ素に対する名学歯の考え方……学校でのフッ素洗口必要なし
・事後措置への対応……かかりつけ歯科医へ受診することを強く指導する
④名古屋市学校歯科保健の目的
・より良き歯・口の健康を保持して、口腔保健に高い関心を持つ名古屋市民の育成最後に本当に大切な事は、学校歯科医だけ頑張るのではなく、関わっているすべての者が頑張ること
パネルディスカッション
「名古屋市と札幌市の学校歯科医の現状と意見交換」
パネラー
名古屋市学校歯科医会 江場弘和会長
松浦和典副会長
札幌歯科医師会学校歯科医会
大川晋一常任理事
平山泰志理事
①大川常任理事
札学歯平成13年~平成18年学校歯科医活動報告
・秋の臨時健康診断の実施が1.8%のみ
・70%の学校歯科医は健康診断のみ
・80%の学校歯科医は総会・研究大会等の参加していない
・学校保健委員会には6%の学校歯科医しか参加していない
・学校行事には80%の学校歯科医が参加していない
②江場会長・松浦副会長
・総会へ出席させるには強引さも必要
・学校保健委員会への出席は必要不可欠
・名古屋では学校歯科医に対して活動内容により辞退勧告する場合がある
③平山理事
・定山渓小・中学校の活動報告
最後に学校歯科保健の教育的効果は保護者・地域・教職員等の協力が必要であることを確認して終了
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第59回指定都市学校保健協議会
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
標記協議会が平成20年5月18日.午前9時30分より、広島市にて開催されました。
午前中は開会式、全体協議会、記念講演が行われ、午後からは4つの分科会に分かれ、課題別協議会が行われました。
それぞれ、歯科に関連する研究発表を抜粋して記載します。
第1分科会健康教育
「子どもたらが自らの健康を保持増進することのできる健康教育の推進」
<口頭提言1>
歯科保健事業における新しい試みと、下顎第一大臼歯の重要性について
横浜市立中尾小学校学校歯科医 江口康久万
学校歯科医は、日頃から歯科保健事業に積極的に参加し、子どもたちのことを色々な角度から把握していなければならない。その中で歯科健康診断やアンケート調査、歯みがき検査の結果はそれらを知るために大変重要な役割を果たす。そして、私たちは調査結果を専門の立場から分析し、問題を読み取り、学校及び保護者にその結果並びに予防策を提示する義務がある。
歯科保健教育の一環として、子どもたちが口の健康の大切さをわかりやすく理解できる実験や歯科教材は、大変効果があるだけでなく記憶に残るものとなる。子どもたちの歯科保健に対する理解を深めるための歯科教材として、紙型模型による「いい口模型」を考案した。6年生用に12歳臼歯は萌出途中の状態で描かれており、ブラークのつきやすい所にはばい菌の絵を入れ、歯みがきで注意が必要なところがよくわかるようになっている。また、プラークチャートの代わりとしても使うことができる。
<口頭提言2>
心と体の健やかな成長
~基本的生活習慣の確立と積極的な健康つくり~
京都市立納所小学校 教諭 嶋本千人
健康管理能力向上のための取組として、学級活動での保健指導や食に関する指導、体育科の保健領域・総合的な学習の時間の健康に関する学習では養護教諭や栄養職員の専門性を生かした複数指導を実施してきた。また、生活調査による児童の生活実態把握、歯みがきタイムの設定、フッ化物洗口などを行っている。
児童が学習したことの実践や基本的生活習慣の定着は、学校の取組だけでできるものではなく、日々保護者・家庭・地域の方々の協力が大切であると考えている。そこで、学校だより・保健だより・給食だよりの各広報紙を活用して、家庭での協力をお願いしている。
学校と家庭との連携を図るために、フッ化物洗口実施に向けた合同研修会以外にも健康に関わる教職員と保護者の合同研修会を行った。また、学校保健委員会では定期健康診断の結果やヘルスカードの結果を報告し、学校とPTAをはじめ地域がそれぞれ手を取り合って子どもたちの健康を見守っていこうと協力をお願いした。
家庭や地域との連携を今まで以上に深め、望ましい基本的生活習慣の確立を目指すとともに、児童自身が健康の大切さに気付き、日々の生活に生かそうとする積極的な健康つくりを目指し、これからも取り組んでいきたい。
<紙上提言1>
千葉市における学校歯科保健活動について
千葉市立海浜打瀬小学校 学校歯科医 柴田康司
学校歯科保健領域において有効な「保健教育」を実施するためには、学校歯科医と教職員が中心とならなければならない。「保健教育」が中心となった今の時代は、学校歯科医がその学校の職員の1人として「保健教育」のためにも学校に足を向けるべきだと思う。
「歯・口の健康つくり啓発事業」は今年度で全ての行政区を一通り実施し、千葉市歯科医師会の全ての学校歯科医が参加したことになる。参加した学校歯科医の中には担当する学校において、啓発事業の資料を利用し授業を展開しているところもある。また、「歯医者さんによる喫煙防止教室」は毎年十数校の中から5校選出しているが、選に漏れた学校では直接学校歯科医に依頼し、実施しているところもある。さらなる内容の拡充を図り、継続していきたいと考えている。
第2分科会保健管理
「生涯を通じて健康で安全な生活を送ることのできる子どもたちを育成する保健管理のあり方」
<口頭提言1>
むし歯研究所シリーズ&和・歯・8020ワールド
札幌市立定山渓小学校・中学校 学校歯科医 平山泰志
※本会・平山理事の口頭提言の内容は別記で詳しく掲載いたしております。
<口頭提言2>
歯や歯肉を大切にする児童を育てる保健指導
名古屋市立八事小学校 教諭 山田浩嗣
今日的課題である食育や肥満予防を始め、心身の健康を増進し、生涯にわたる生活の質を向上するためには、咀嚼や発音などに重要な役割を果たす歯や歯肉を大切にする必要がある。そこで、永久歯の歯列が生えそろう小学生の時期から、自分の健康な生活にかかわり、生涯使い続ける歯や歯肉を大切にする児童を育てる必要があると考える。
児童の「関心・意欲・態度」を高めたり、「思考・判断」を促したりする発問や、教材提示による支援を行い、口腔内に菌が存在することや、菌を歯みがきで減らせることを実感させたことによって、歯みがきの必要性についての意識が高まり、行動に結び付いてきている。また、基本的なみがき方を基にして、自分の歯列に合わせたみがき方を考えさせたことで、工夫したみがき方ができるようになってきた。
<紙上提言1>
「学校歯科医」と「学校・地域」との連携の重要性
北九州市立赤崎小学校 学校歯科医 田中博
「食育」に焦点が当たっている現状から見ると、染め出し液を使ったブラッシング指導や健康診断結果を基にした歯科衛生講話等の指導方法は、色あせて見えるが、子どもにとっての体験としては決して古臭いものではなく、新たな気づきを与えるよい体験のひとつであると考える。
また、地域との連携という観点に立った場合、学校歯科医である我々開業医は、地区の歯科医師会を通じて学校保健会活動の中で教育現場の実情を理解しつつ、より良き助言者であることを望み、協力者であることに誇りを持ちたいと願っている。
学校や地域の教育活動を市民の力で解決するという視点のもと、学校が抱える課題解決には、教職員の意欲、情熱、指導力等の発揮が必要とされているが、そのための突破口はいわゆる「校長力」に尽きるのではないかと考える。
第3分科会心の健康
「心の健康課題を克服することのできる支援のあり方や環境づくり」
第4分科会地域保健
「学校・家庭・地域社会の連携協力による組織的、総合的な学校保健の取り組みの推進」
<口頭提言1>
歯・口の健康つくりをめざした予防歯科の取り組み―堺歯科衛生士専門学校との連携―
堺市立大仙小学校 養護教諭 阿部恵美子
実際に取り組んでみて、ゲストティーチャーが学校へ来て保健指導することは大変意味のあることだと感じた。なぜなら子どもたちは、「私たちのために衛生士さんが学校にきてくれた。」と大喜びで、歯の専門家に勉強を教えてもらうということで、授業を受ける意識が高まった。そして新しい知識を得て、実際に歯みがき指導を個別に近い形で行ってもらい、歯の健康への意識が格段に高まったからである。
学校保健と地域保健の連携は早くから必要性が求められてきていた。健康は生涯を通して守るもので、一貫した健康づくりを行う必要がある。学校が地域の保健活動に参加したり、反対に地域や他の健康づくりを行っている機関が学校へきて保健活動をすることは、保健分野全体の活動が活性化され非常に重要なことだと考える。
歯みがきは毎日の習慣であり、そのため今回のような1回の保健指導だけでなく、機会あるごとに指導を行い、子どもたらが振り返る場面を持てるように支援することが必要だと感じた。それには学校だけではなく、学校歯科医や歯科衛生士等の専門職や保健センター等の関係機関が関わっていくことで、児童の健康活動をより活性化できると感じた。
<紙上提言1>
学校・家庭・地域が一体となった保健教育を目指して
さいたま市立常盤小学校 教諭 宮出貴正
本校では学校保健委員会を「太陽の子フォーラム」と称し、毎学期1回実施している。全家庭に参加を呼びかけるとともに、教職員の研修日に位置付けることにより、全職員が参加している。そのため、職員の健康教育に関する意識は高い。この「太陽の子フォーラム」は、教職員の保健教育部が立案、司会、準備等を担当し、PTA健康委員会が企画、運営に当たっている。内容は、児童の健康をテーマにした話し合い及び、学校医、学校歯科医、学校薬剤師等による講話を行っている。実施後は、PTA健康委員会が報告として、全家庭に広報誌を発行、配布している。
歯の衛生週間に実施する「よい歯の児童集会」には、学校歯科医、歯科衛生士を迎え、講話とブラッシング指導を行う。TTによる学級活動や、歯科衛生士会の協力を得て「RDテストと歯の指導」も行っている。
これまでの取り組みで児童の健康に対する意識は高まってきている。今後も学校内での児童への保健指導の工夫を重ねていくとともに、家庭とも協力して情報を共有し、学校医等地域の人材を活用しながら、三者が一体となった保健教育を推進していく。
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第59回指定都市学校保健協議会<口頭提言1>
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
むし歯研究所シリーズ&和・歯・8020ワールド
札幌市立定山渓小学校・中学校 学校歯科医 平山泰志
1.はじめに
まず初めに定山渓小学校のプロフィールの紹介です。
本校は、「支笏洞爺国立公園」内に位置し、札幌市の奥座敷と呼ばれる定山渓温泉街にある。
全校児童31名の小規模校で、平成17年度、開校100周年を迎えた歴史ある学校である。
小規模校の特色を生かし、我々が「小鳥グループ」と名づけた縦割りグループに分け、多くの場面で異学年とかかわりながら様々な活動を行っている。学年の枠を超えた取り組みを通して、自主性、社会性、思いやりや感謝の心などをはぐくむことをねらいとしている。
小鳥グループ単位での活動は、農園活動、遠足、運動会、宿泊学習、地域クリーン作戦、雪中運動会、全校給食、そして「むし歯研究所」である。
2.初めの3年間の歩みと成果と課題
平成12年度から17年度までの6年間、北海道歯科医師会の指定校を2期、平成13年度から2年間は文部科学省の委嘱を受け「歯・口の健康つくり学習」を進めてきた。
平成12年度は、児童や保護者へのアンケートを実施し、実態把握を行い次年度へ向けての準備を行った。
平成13年度―「こちらむし歯研究所」
全校縦割り学習として、1年生から6年生まで縦割りグループを利用し、グループの課題に向け、一人一人がむし歯博士となり、研究を深めていくという問題解決学習に取り組む。
平成14年度―「とびだせ.. むし歯研究所」
10月には3年間の集大成として、教育実践発表会を開催し多くのご示唆をいただいた。
11月には、グループで研究したことを学習発表会という場で多くの人に伝えていく活動を行う。
その成果として、
○縦割りグループで、安心して学び合えるよりよい人間関係が築かれている。
○学校歯科医との連携が密になる。
また、課題として
○低学年と高学年が、共通な課題をもつには無理があるのではないか。
○子供たちが生き生きと伝えられるように、学習発表会以外に発表する場を考えていく方がよいのではないか。
などが、挙げられた。
3.進化していく「むし歯研究所」
平成15年度―「広めよう.. むし歯研究所」
「歯・口の健康つくりは、中学校と合同で9年間行うことでより教育的効果が期待できる」という私からの要望と、地域的にも可能であることからこの年から小中合同の活動が実現した。
それまで1年生から6年生までの縦割りを、低学年と高学年のグループに分け、発達段階にあった問題解決学習に取り組む。調べたことを「和・歯・8020(わ・は・は)ワールド」で、中学生とともに地域・保育所・保護者へ発信していった。
「和・歯・8020(わ・は・は)ワールド」
和=地域・保護者・小学生・中学生が和になって
歯=歯を通して学び合い
8020=80歳の時に自分の歯が20本残るように
平成16年度―「ふかめよう!むし歯研究所」
「和・歯・8020ワールドパート1」では、札幌歯科医師会館に出向き、学校歯科関係者に対して研究したことを様々な方法で伝える。その反省を生かして「和・歯・8020ワールドパート2」では、中学生とともに地域・保護者・保育所に発信していった。
平成17年度―「もっとふかめよう!むし歯研究所」
「和・歯・8020ワールドパート1」では、開講百周年記念教育実践発表会において、教育関係者や地域・保護者に対して研究したことを様々な方法で生き生きと伝えることができた。
そこで得たノウハウを生かして「和・歯・8020ワールドパート2」では、中学生とともに地域・保護者・保育所に発信していった。
4.伝えることが一番楽しい
平成14年度「とびだせ!むし歯研究所」では、研究したことを学習発表会という場で伝えた。
前年度は、研究したことをグループ同士で見合うだけだったので、広く伝える方法の第一歩とした。しかし、ステージからの発表は、一方的で何か物足りなさを感じていた。
「和・歯・8020ワールド」では、ワークショップ方式でお客さんの反応を直に確かめながら伝えることができた。「よく調べたね」「おもしろかったよ」そんな言葉を励みに、達成感を味わえたり、次の活動意欲につなげたりすることができた。子供たちは「和・歯・8020ワールド」で伝える楽しさを十分味わった。
平成16年度「和・歯・8020ワールド」の取り組みは成功したが、秋の歯科健康診断の結果は散々であった。春と比べると、永久歯のむし歯が増えたり、歯肉の状態が悪かったり、明らかに歯磨きを怠る子が増えていた。学んだことが日常化されず、かえって悪い結果となってしまったのである。それは、歯の問題だけでなく、基本的生活習慣の乱れが大きな原因になっていることが分かった。「歯の汚れは、生活の乱れから」あらゆる機会を通して家庭と地域と学校が一体となって、子供たちを見守っていかなければならないと痛感した。
5.日常化と場に応じたコミュニケーション能力の課題
「和・歯・8020ワールド」を終えての最大の課題は、子供たちに、〝場に応じたコミュニケーション能力" が不足していることである。 シナリオ通りなら発表できるが、相手合わせ、場に応じた対応ができずに、突然の質問にとまどい教師の支援を求める姿が見られていた。日頃からのコミュニケーション能力を育成する取り組みが必要であると考えさせられた。
6.日常化につなげる取り組み
前年度までの課題である「日常の実践化」、つまり歯磨き習慣の定着を図るために、平成17年度から、年4回(6月・9月・12月・3月)の「歯みがき大賞」の表彰を設け、年間を通して歯磨きの日常化を促す計画をした。年4回、学校歯科医や養護教諭が一人一人のブラッシング状況をチェックし、全員が「歯みがき大賞」を受賞できるよう、歯の磨き方を教示したり、水飲み場に歯の磨き方を提示したり、歯みがきタイムに子供たちの好きな音楽を放送したり、家庭に協力依頼したりして、学校と家庭が一体となって、継続的な意欲付けを行っていくことにした。6月には10名、9月には9名、12月には25名、そして3月には全員が「歯みがき大賞」を受賞できた。ある一人の子供が春の健康診断にてCO がたくさんあったが秋の健康診断ではゼロになった。
その子は「歯みがき大大賞」を受賞した。
全ての子供たちの意識は確実に変容してきている。
7.気付き考え行動する子
子供たちの様子が変わってきているのは、本校の重点目標である「気付き考え行動する子」の実現に向けて、歯・口の健康つくりだけでなく、学校教育活動全体を通して、常に育てたい力を明確にし、きめ細かくかかわり評価する、指導と評価の一体化を図りながら、子供たちを育ててきた成果と言える。
6年前、気付くことができなかった子供たち、その後気付いても考えることができずにいた子供たち。そして気付いて考えたとしてもなかなか行動することのできない子供たちがいた。全教職員が共通の見解をもちながら日常的に子供たちの指導にあたっていくうち に、少しずつ子供たち自身が変容していったのである。
8.おわりに
昨今、学力低下が叫ばれ薬物乱用、性問題など児童生徒たちを取り巻く環境は悪化の一途をたどる中「歯・口の健康つくり」の題材は児童生徒たちに自分自身を見つめ直し「生きる力」をはぐくむために有効な一つの手段と考えられ、問題解決学習を自分自身の体験として経験できる。さらに、むし歯の発生実験(酸脱化)・口腔内のpH調べ・唾液の分泌量調べなどは理科の実験で利用でき、むし歯予防の図画・ポスターの作成は図工・美術で、調べたことを発表するためのプレゼンテーションの作成はコンピューターの授業で応用でき、地域の人たちの口の中の状態や年齢分布の調べは社会科と密接に関係している。 「歯・口の健康つくり」の題材でここまで広げることが可能で、その中で児童生徒たちは「学び方」を学んでいく。極論かもしれないが「学び方」を学ぶことによって学力低下さえも阻止できるのではないかと推測できる。
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第59回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会
- 2009/01/20 火
- 会員のページ > 活動報告
標記協議会が平成20年5月17日.午後2時より広島市で開催されました。来賓挨拶等の後、二つの分科会に分かれて協議が行われました。
主題:「心身ともに健全な子どもたちを育む学校歯科保健の新たなる展開」
第一分科会:「変革期に来た学校歯科保健について」
第二分科会:「食育も含めた歯および口腔に関する新たな健康課題について」
その後、全体会議が行われ、本協議会から日本学校歯科医会に提言を行うことを確認して終了いたしました。
後日、主催の広島歯科医師会から日学歯に対し、「要望書」が提出されました。以下、要望書の要旨です。
1.本協議会は、指定都市で構成された学校歯科保健現場に直接かかわる組織でありながら、これまで本協議会の成果は、貴会において充分に反映されているとは言い難い。今後は本協議会からの意見・要望を充分斟酌し、しかるべき対応ができる連携の構築を検討されたい。
2.学校歯科保健活動の推進には法的環境の整備が望まれる。教育基本法・学校教育法はもとより、学習指導要領や健康増進法、とりわけ学校保健法・食育基本法・学校給食法および各法施行令など、学校歯科保健関係各法の充実と完全実施に向けて、関係各機関への働きかけを要請する。
参加各都市からの意見
①日本学校歯科医会と指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会(以下、本協議会)との関係について
・本協議会で集積されたデータと協議の成果は、日本学校歯科医会との緊密な連携のもとに、学校歯科保健活動の今後更なる充実発展のために生かすべきである。
②情報の提供と共有について
・日本学校歯科医会の方針が、これまで各地方の加盟団体・都市に充分に伝わっていなかった。日本学校歯科医会は、会員のみでなく学校現場、とりわけ学校歯科保健関係者への情報発信の充実を図ってほしい。
③日本学校歯科医会が検討している認定医制度について
・学校歯科医の資質の向上のために、日本学校歯科医会が研修やガイドラインを課すことはやぶさかではないが、認定制度については慎重に検討して欲しい。地方の時代となった今、各都市それぞれの環境があるので、学校歯科医の資質向上の実践は地方に委ねてほしい。
④食育について
・栄養教諭の配置や給食時間の問題など、学校現場における諸課題についての法的整備は、日本学校歯科医会からも積極的に働きかけてほしい。
・学校現場からの意見をもっと取り上げていただき、食育の推進に反映してほしい。
・食育の推進においては、その方向性を明確にし、質の高いエビデンスをもとに情報提供の充実を図る必要がある。
・日本学校歯科医会が提唱している食育の定義・ガイドラインに基づいた、啓発やアクションプラン、ツールなどを示してほしい。
⑤学校現場からの要望
・家庭への働きかけや啓発のために、最新の医学的・科学的な情報がほしい。
・児童生徒・保護者・教職員への視聴覚に訴える教材がほしい。
⑥その他
・「よくかむこと」と「心の健康」との関連について、エビデンスが得られる調査研究を実施し、データの集積に努力してほしい。
・歯科健康診断票に、「ネグレクトヘの気付き」の項目を入れてほしい。
・フッ化物の応用に対して、日本学校歯科医会はもっと積極的に取り組んでほしい。
・12歳児だけではなく、15歳児のDMF指数を調査してみてはどうか。
その他の提言
歯科疾患に関する現行の学校病はう歯のみであり、歯肉炎は対象外である。是非とも歯肉炎を学校病として認定すべくご尽力を賜りたい。
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