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第61回全国学校保健研究大会報告
- 2011/12/17 土
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平成23年10月27日(木)、28日(金)の二日間にわたり静岡市の静岡県コンベンションアーツセンター
(グランシップ)にて第61回全国学校保健研究大会が開催されました。
27日は13:00より開会式と文部科学大臣表彰の表彰式が行われました。札幌歯科医師会からは北海道札幌東陵高等学校元学校歯科医の松川清三先生が表彰を受けられました。松川先生、たいへんおめでとうございました。
つづいて14:00から「学校現場における発達障害を持つ子どもたちへの対応」と題して浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任教授 杉山登志郎先生による記念講演が行われました。講演では、自閉症スペクトラム障害や学習障害などの発達障害は多因子遺伝であり幾つもの異常が重なり閾値を超えたときに発症することや、過剰な叱責や虐待などの迫害体験も発症に関与していること、また逆に発達障害があると虐待を受けるリスクが高くなると述べられました。
学校現場での対応として、発達障害の治療は治療的教育であり通常学級がだめなら支援クラスへというのはよくないということ、発達障害を例外的に扱ってはいけないこと、特別支援教育への蔑視をやめて学習障害への対応ができる教師の育成が必要であり、そこが教育サイドの腕の見せ所であると話されました。さらには、安定した自信を持った大人の存在が子どもを救い、教育、福祉、医療が連携して相談できる人材を育てる必要があると話されました。
翌28日には9:30より課題別研究協議会第7課題(歯・口の健康づくり)が「生涯にわたる健康管理の基盤となる歯・口の健康づくりの進め方」と題して同会場にて開催されました。初めに、三重県四日市市立笹川中学校、東京都江東区立南砂小学校、静岡県静岡市立長田西中学校からそれぞれ研究発表がありました。
笹川中学校からは、健康診断の効果的な実施と結果等を活用した保健指導―「観察」から学ぶ体の変化―と題して、「歯科健康診断用アンケート」の活用や、「セルフチェックカード」をレーダーチャート化して用いるなどの継続的な保健指導の実践についての発表がありました。
南砂小学校からは、「歯・口の健康づくり及び健康教育の推進と学校経営」―ヘルシー&ハッピースクール南砂―と題して、「歯・口の健康づくり、健康教育年間指導計画」の作成や関係機関と連携した保健指導、歯のポスター、標語の募集などの実践についての発表がありました。
長田西中学校からは、学校、家庭、地域が連携した学校歯科保健活動を目指して―自分の歯の健康管理を主体的に実践できる生徒の育成を通して―と題して、学校歯科医とのチームティーチングや昼食後の歯磨きタイム、生徒会保健委員会による歯磨き指導などの実践についての発表がありました。
その後、質疑応答を交えながらそれぞれの発表に対する研究協議が行われました。
つづいて、歯・口からみえる子どもたちの生活―「食と咀しゃくに対する実態等の調査」から―と題して日本大学歯学部教授 尾崎哲則先生よる講義が行われました。
講義では、平成20年に全国の政令指定都市の小学校児童、中学校生徒およびその保護者に対して「食と咀しゃくに対する実態調査」のアンケートを行い、回収された約7,500件の回答に検討を加えた結果、食と咀しゃくの問題は様々な事柄と関連を持っていることがみえてきたと述べられました。
今回の実態調査からみえてきたものとして、
1)毎日朝食を食べる割合や就寝時間について、児童では良好なものが多かった。
2)意識してよくかんで食べようとしている児童生徒はかむことが体に良いという意識を持っており、季節の食材を楽しみ、食事への感謝の気持ちを持つ傾向があった。
3)歯ごたえのある食事が出たときによく食べる児童生徒は食べ物の味やにおいを楽しみ、食べていることに満足を得ている傾向があった。
4)食事時の挨拶を身に付くように育った児童生徒は食事への感謝の気持ちを持ち、食事の手伝いをする傾向があった。
と話されました。
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